100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

*

「 バトル 」 一覧

【一会】『猫瞽女―ネコゴゼ― 3』……その過去に、戦慄と涙

猫瞽女-ネコゴゼ- 3巻 (ヤングキングコミックス)

 戦後まもなくソ連に占領され、共産主義が台頭したパラレルな日本を舞台に、擬人化された猫たちによる遊侠活劇を描いた『猫瞽女ネコゴゼ―』。盲目の女芸能者・瞽女(ごぜ)にして三味線に仕込んだ暗殺剣の達人でもある夜梅(ようめ)と、ロシア正教に由来すると思われる“機密”により対象の知覚を遮断する能力を持つ行者の鶯(うぐいす)という2匹の雌猫を主人公に、体制に取り入って甘い汁を吸うならず者や、反革命分子の粛清を名目に弱者を虐げる秘密警察との戦いが繰り広げられるという、渋さ溢れる漫画となっております。

(さらに…)

広告

広告
thumbnail

【一会】『双亡亭壊すべし 1』……何を憎み、何ゆえ破壊を願うのか

 『うしおととら』(100夜100漫第64夜)『からくりサーカス』(第27夜)『月光条例』(一画一会第26巻以降)など、藤田和日郎先生の作品には多く言及してきましたが、先月、新たな連載作品『双亡亭壊すべし』の1巻が刊行されました。ひと月ばかり遅くなりましたが、読んで思った……

thumbnail

【一会】『ベルセルク 38』……“白”と“光”は、似ているようで違う

 現在連載中の漫画では、最高峰のダークファンタジーに数えられる三浦健太郎氏『ベルセルク』の3年ぶりとなる新刊38巻が、先月発刊されました。いくぶん中途半端ではありますが、今巻から言及したいと思います。  長大にして未だ道半ばの物語を要約するのは困難ですが、黒い剣士ガッツ……

thumbnail

【一会】『七つの大罪 21』……4戦4様、それぞれの大喧嘩

 騎士団〈七つの大罪〉や聖騎士達と、〈十戒〉を筆頭とする魔神族との、中世イングランドを思わせる世界ブリタニアでの戦いを描いた『七つの大罪』。鈴木央先生アレンジによる“アーサー王と円卓の騎士”物語とも云われるこの漫画の21巻が出たのは、もう2か月弱前のことですが、読んで考え……

thumbnail

【一会】『ドリフターズ 5』……“天下分け目”、再演か

 古代から第二次大戦まで、数多の英雄がファンタジー世界に集い、2つの陣営に分かれて戦う史実考証重視系浪漫バトル漫画『ドリフターズ』。戦いだけでなく、それに付随してファンタジー世界に文明上の革新がもたらされていく過程がまた見どころの漫画です。新刊5巻が出ましたので、刊行……

thumbnail

【一会】『いぬやしき 6』……地上で、宇宙で、迫る破滅の時

 エイリアンと思しき存在による事故に巻き込まれたため、超ハイスペックなアンドロイドとなってしまった初老の会社員・犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)と高校生の獅子神皓(ししがみ・ひろ)。銃をものともしない戦闘能力と、難病すら完治させる治療能力を有する彼らそれぞれの、“生きて……

thumbnail

【一会】『3×3EYES(サザンアイズ) 幻獣の森の遭難者 3』……龍皇顕現。さらに思惑は絡み合う

 アジアン・オカルティックバトルを繰り広げつつ、バブル期からゼロ年代という日本の精神性の変容を背景に置いて描かれた伝奇ロマン『3×3EYES』(100夜100漫第100夜)。12年ぶりの発表となった正統的続編『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』の3巻が先ごろ刊行となりまし……

thumbnail

【一会】『七つの大罪 20』……迷宮の果てに集う、勇者・猛者・達人・強者

 中世イングランド的な地・ブリタニアを舞台に、〈七つの大罪〉を始めとする聖騎士達と〈十戒〉を筆頭とする魔神族との、技と魔力の応酬が激化しつつある『七つの大罪』の20巻が刊行となりました。予告通り今月15日の刊行でしたが、ちょっと遅くなりつつ概要と感想を書きたいと思います。……

thumbnail

【一会】『進撃の巨人 19』……“壁”の内外、覚悟の対比

 予定通り今月8日に『進撃の巨人』19巻が刊行となりました。遅れ馳せですが概要と感想を書き留めていきます。  ちなみに、今巻の限定版の付録は全52枚のポストカードです。特に新規描き下ろしは無いようですが、これまでの単行本や月マガの表紙イラストはもちろん、『FRaU』『ミ……

thumbnail

【一会】『アップルシードα 2(完)』……新世界は素敵ですか?

 2巻の発刊から早や2か月ほど経ってしまいましたが、じっくりと読みましたので書いておきましょう。『茄子』(100夜100漫第1夜)の黒田硫黄先生による、士郎正宗先生の未完の代表作『アップルシード』のリブートという異色作『アップルシードα』の2巻にして最終巻です。  ……

広告

広告