100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

*

「 仕事 」 一覧

【一会】『銀の匙 Silver Spoon 14』……想い、叶う。それはそうと急展開

銀の匙 Silver Spoon 14 (少年サンデーコミックス)

 札幌で勉強漬けだった中学生活から、逃げるように十勝の大蝦夷農業高校に進学した八軒勇吾(はちけん・ゆうご)。彼の価値観の転換と“本当にやりたいこと”の探索を中心に、淡い恋と部活動、そしてひたすら農地と家畜と労働の群像劇を描いてきた『銀の匙 Silver Spoon』の14巻が刊行されたのも、もはや1年近い過去(2017年8月刊行)となりました。まことに遅まきではありますが、その14巻について書こうと思います。

 13巻から2年ちょっとを経て刊行された14巻ですが、もちろん作中の時間軸は13巻の直後、ハチたち3年生が9月の定期考査を終えたところから始まります。
 目下、間近に控えているイベントは、ハチの起こした会社「(株)GINSAJI」と学校のチーズ研究会・ピザ研究会が連携して目論んでいる、ばんえい競馬場でのピザ販売会と、色々あってハチが勉強をみている御影あき(みかげ・――)の大蝦夷畜産大推薦入試の2つです。
 ばんえい競馬の開催日と、ついでにエゾノーの学園祭も迫ってくる中、各担当部署で、ハチたちはそれぞれに頭を悩ませます。ハチの会社の(一応)社長でもある大川先輩は平常運転みたいですが。
 準備の合間、ピザ研究会のふくよかナイスガイ別府君が“まかない”的に作ったチーズナンも美味しそうです。隠し味の男風呂ヨーグルトも、まぁ、加熱していれば大丈夫だと思いますし。。
 チーズナンと云えば、自分は以前カレー屋さんで頼んで苦しい思いでギリギリ完食したことを思い出します。見た目以上にボリュームがあるようなので、初めてのお店で頼む時はご注意を。

(さらに…)

広告

広告
thumbnail

【一会】『アルテ 8』……帰郷。そしてこれからの選択肢

 ルネサンス後期のイタリア、貴族のお嬢様ながら画家を目指す少女・アルテの修業の日々を描いている『アルテ』。引き続き、1月刊行の8巻について書きたいと思います。  前巻ラストで、名門ファリエル家の有力者ユーリからのパトロンの申し出を断り、故郷フィレンツェへと帰ることを……

thumbnail

【一会】『アルテ 7』……一つの仕事の終わりに

 ルネサンス後期のイタリアを舞台に、貴族出身の少女アルテの画家修業を描く『アルテ』。現在8巻まで刊行されていますが、まずは昨夏刊行の7巻について書きたいと思います。  名家ファリエル家の若き実力者ユーリに請われ、一家の肖像画を制作し、同時に当主の娘カタリーナの家庭教……

thumbnail

【一会】『プリンセスメゾン 4』……真摯さに、祝福あれ

 26歳、年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)のマンション購入を主軸に、色々な人物の住まいと暮らしと孤独を描いた『プリンセスメゾン』。昨秋はNHKでドラマ化などもされた本作の4巻が6月に刊行されました。例によっていささか遅いのですが、内容と感想を書いていきたい……

thumbnail

【一会】『コトノバドライブ 4(完)』……その5分間は、きっと誰にでも

 海の見える土地で、店長と2人で営む小さなスパゲティ屋「ランプ」で働くすーちゃん。ふとした瞬間に彼女が垣間見る、ちょっと不思議で怖くもあり、それでいて有り難さも漂う不思議な時空間と不思議な出会いを描いた『コトノバドライブ』が、3月刊行の4巻で完結となりました。  作中は……

thumbnail

【一会】『アルテ 6』……まずは自分の場所で

 ルネサンス末期の16世紀。その古典文化復興の中心地となったイタリアの、男社会な絵画界に、ひとり飛び込んだ貴族の娘アルテを描く絵画修行漫画『アルテ』。1月に6巻が刊行となりました。読んで思ったことを書きたいと思います。  師匠レオのアトリエに住み込んで研鑽を積んでい……

thumbnail

【一会】『プリンセスメゾン 3』……ロマンティック重要事項説明

 居酒屋「じんちゃん」で働く、年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)の“運命の物件”探しをメインストーリーに、女性たちの“住まいと孤独”を描く池辺葵氏『プリンセスメゾン』。昨年の話になってしまいましたが、10月末に3巻が刊行されました。遅きに失するのもいいところ……

thumbnail

【一会】『アルテ 5』……“違い”なんて、無いからこそ

 16世紀初頭イタリア。女性の社会進出が難しかったこの時代を舞台に、貴族の出ながら画家を目指して奮闘する少女アルテの修行の日々と、当時の人々の生活をつぶさに描く『アルテ』。6月下旬に5巻が出ましたが、このほど読みましたので書きたいと思います。  前巻で、生まれ育った……

thumbnail

【一会】『白暮のクロニクル 8』……1600歳超えの純情

 不老不死に近い吸血鬼っぽい種族“オキナガ(息長)”が存在する世界。見た目は少年ながら88歳の“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)と、彼らを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)が、12年に1度、未年ごとに若い女性を殺す「羊殺……

thumbnail

【一会】『白暮のクロニクル 7』……迫る未年の終わり、まだ視えない真相

 非常な長命と不死性を有する“オキナガ”と、それを管理する厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)が存在する世界。夜衛管の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、88歳にして外見は少年な“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)の2人が、未年ごとに若い女性を殺害する連続殺人者“羊……

広告

広告