居酒屋「じんちゃん」で働く、年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)の“運命の物件”探しをメインストーリーに、女性たちの“住まいと孤独”を描く池辺葵氏『プリンセスメゾン』。昨年の話になってしまいましたが、10月末に3巻が刊行されました。遅きに失するのもいいところ……
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【一会】『銀の匙 Silver Spoon 14』……想い、叶う。それはそうと急展開
札幌で勉強漬けだった中学生活から、逃げるように十勝の大蝦夷農業高校に進学した八軒勇吾(はちけん・ゆうご)。彼の価値観の転換と“本当にやりたいこと”の探索を中心に、淡い恋と部活動、そしてひたすら農地と家畜と労働の群像劇を描いてきた『銀の匙 Silver Spoon』の14巻が刊行されたのも、もはや1年近い過去(2017年8月刊行)となりました。まことに遅まきではありますが、その14巻について書こうと思います。
13巻から2年ちょっとを経て刊行された14巻ですが、もちろん作中の時間軸は13巻の直後、ハチたち3年生が9月の定期考査を終えたところから始まります。
目下、間近に控えているイベントは、ハチの起こした会社「(株)GINSAJI」と学校のチーズ研究会・ピザ研究会が連携して目論んでいる、ばんえい競馬場でのピザ販売会と、色々あってハチが勉強をみている御影あき(みかげ・――)の大蝦夷畜産大推薦入試の2つです。
ばんえい競馬の開催日と、ついでにエゾノーの学園祭も迫ってくる中、各担当部署で、ハチたちはそれぞれに頭を悩ませます。ハチの会社の(一応)社長でもある大川先輩は平常運転みたいですが。
準備の合間、ピザ研究会のふくよかナイスガイ別府君が“まかない”的に作ったチーズナンも美味しそうです。隠し味の男風呂ヨーグルトも、まぁ、加熱していれば大丈夫だと思いますし。。
チーズナンと云えば、自分は以前カレー屋さんで頼んで苦しい思いでギリギリ完食したことを思い出します。見た目以上にボリュームがあるようなので、初めてのお店で頼む時はご注意を。
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【一会】『3月のライオン 12』……竜の奮迅、死神の親愛
15歳でプロ棋士になり、どうにか無事に高校を卒業した桐山零(きりやま・れい)と棋士たちによる戦いの日常と、あかり・ひなた・モモの3姉妹を中心とした川本家の日々を織り交ぜて、人々の人生の悲喜を描く『3月のライオン』。ちょうど1年ぶりの9月末に12巻の刊行となりました。アニ……
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【一会】『プリンセスメゾン 2』……シャンソン人形とヘドバンと
居酒屋「じんちゃん」に勤める年収250万円ちょっとの沼越幸(ぬまごえ・さち)。彼女の“運命の物件”探しを中心に置きつつ、それ以外の女性の“住まいと孤独”についてのエピソードも散りばめた池辺葵氏の『プリンセスメゾン』の2巻が、先ごろ発刊されました。物件探しの実際的なポイン……
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第207夜 北の学府の、優雅な騒動は人獣共通…『動物のお医者さん』
「うちの大学を受けるのか/その顔は~~/理系!/ワタシにはキミの未来が見える/キミは将来~~/獣医になる!!/このカシオミニを賭けてもいい」「……」「キミが賭けるのはこの仔犬だ」 『動物のお医者さん』佐々木倫子 作、白泉社『花とゆめ』掲載(1987年12月~1993……
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第205夜 ディスプレイに躍る意地と愛と魂と…『大東京トイボックス』
「…それは/直さずにすめばその方が効率がいいからに決まって…」「もうやめろ/効率? プロ? まるでガキだな」「…なんだと?」「そんなのは大人じゃねえ/ただの聞き分けのいい子供だ」 『大東京トイボックス』うめ(小沢高広…企画・シナリオ・演出担当/妹尾朝子…作画・演出担……
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【一会】『アルテ 4』……想いを残し、新天地へ
16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族出身ながら画家を志望する元気少女アルテの修行の様子と、師匠であるレオへの淡い恋心、当時の人々の生活描写がそれぞれに興味深い『アルテ』。先ごろ4巻が発刊されましたので、書き留めておきましょう。 前巻では重労働のフレスコ画の助……
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【一会】『3月のライオン 11』……対峙の果てと残された者の虚脱
17歳の少年プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)の孤独な戦いと棋士の世界、そして、そんな零を家族のように受け入れる、あかり・ひなた・モモの3姉妹を中心とする川本家のドラマを描く『3月のライオン』。前巻から9か月ほどで11巻の刊行となりました。刊行からひと月ほど経ってしまい……
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【一会】『銀の匙 Silver Spoon 13』……部活引退。そして彼が動き出す
進学校の私立中学から受験に失敗し逃げるように農業高校に進学した八軒勇吾(はちけん・ゆうご)とエゾノー生たちの農業&畜産青春グラフィティ『銀の匙 Silver Spoon』。遅くなりましたが新刊の13巻を読了しましたので書かせて頂きます。 前巻後半から作中の時間の……
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【一会】『まるせい 3(完)』……それぞれの道、そしてStand by Meの結末は
成年漫画(いわゆるエロ漫画)にかける作者の分身、花比野Q一朗(はなびの・キューいちろう)こと日比野龍一朗(ひびの・りゅういちろう)の、仕事関係の女性と深い仲になっても彼女はできない哀感と、一方で漫画執筆にかける熱い姿を描いたこの『まるせい』。自分としては何となく、エロ漫……