「オレもだ……/オレもお前も少しずつ間違っていたんだ…/――だから俺とお前でだっ」「えっ!?」「オレの判断とお前の心(ハート)が一つになって……/本当の正解だっ」「………/……………ありがとう/川田」「――ったく………/お前ってヤツは涙腺の涸れねえ男だなっ」 『バト……
「 風刺 」 一覧
【一会】『猫瞽女―ネコゴゼ― 2』……温泉地の勝負の行方はロシア式
巫女に次いで猫耳という、ある意味で近年のヲタク界隈の要求を飲み込んだ上で、見事に渋み溢れる作品世界を描き出す宇河弘樹先生の『猫瞽女―ネコゴゼ―』第2巻が先日刊行されました。
描かれるのはパラレルな195X年。戦争に勝利したソ連によって支配され「日本自治ソビエト社会主義共和国」と呼称されるようになった日本の片隅で、人間たちと同じように、ある者は一途に、ある者は卑しく、ある者は苛烈に生きる、猫たちの渡世の物語です。
中心となるのは、唄と三味線を表稼業にしながらも、仕込んだ刃を抜けば無二の遣い手である“はぐれ瞽女”夜梅(ようめ)と、ロシア正教に由来していそうな“機密”能力を行使する行者の鶯(うぐいす)の2匹の雌猫。当座の2匹の目的は、鶯の養い親を殺し、兄を収容所送りとした当局の秘密警察“必罰執行人”の何者かを追うことですが、仁義に篤い2匹のこと、権力を得た悪の前に涙を流す猫たちの力となって力を振るう展開となりそうです。
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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 6(完)』……それは、歳々に還る魂のような
終わるという噂通り、本当に新年最初の『マガジン』で完結した『せっかち伯爵と時間どろぼう』。最終巻となる6巻が発刊になりました。時計仕掛けの狂騒劇は、果たしてどんな結末を迎えたのでしょうか――。 前巻の途中から、いつもの時事ネタや下ネタの色合いは薄れて、入れ替わる……
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第196夜 世界を憂う躁状態に、笑って唖然…『エクセル・サーガ』
「出たな権力の手先!」「……いいけどよ」「ええと!/とりあえず名を名乗れっ」「個人情報は答えられないわ/市役所の方から来た者よ」「ほんに胡散臭いな/わしら」 『エクセル・サーガ』六道神士 作、少年画報社『ヤングキング アワーズ』掲載(1996年6月~2011年7月)……
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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 5』……始まりなのか、終わりなのか
人類の60倍の速度で生き、しかし寿命はたった1年のために時間中に飛び飛びに存在するという人類の上位存在、上人類の生態を、物事の新解釈&パロディ&風刺ネタ満載で描くこの漫画(まあ、云ってしまえばネタの方が本体なのかもしれませんが…)『せっかち伯爵と時間どろぼう』。前巻から……
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第188夜 独りで穏やかに生きていける、つもりだった…『ヒミズ』
「ねぇ・・・・何かないの? ・・・・有名になりたいとか/お金持ちになりたいとか・・・・若者らしいフレッシュなヤツは」「ないね」「オレはモグラのようにひっそりと暮らすんだ・・・・・・・・」 『ヒミズ』古谷実 作、講談社『ヤングマガジン』掲載(2001年1月~2002年……
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【一会】『就職難!! ゾンビ取りガール 2』……あれ? 「成功」してるし恰好いい…?
『就職難!! ゾンビ取りガール』の1巻もよかったのですが、2巻でぴたりと軸が決まった気がするので書き留めます。 ゾンビが出る世の中、全国区では知らない人の方が多そうな東京都下(田無とか小平あたり?)を舞台に展開する、ゾンビ的事象に対処する零細企業「ゾンビバスターズ」……
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第187夜 勤労少女たちが隠し持つ寸鉄は、人を刺すか…『かなめも』
「このたくさんの新聞あまってるんですか?/これ押し…」「わ――――/わ――――/わ――――/わ――――!!!」「…花作るのに何部かいただいていいですか?」「いいわよ」「あれ? ひなたさんどうかしたんですか? 『かなめも』石見翔子 作、芳文社『まんがタイムきららMAX……
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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 4』……「ありのー♪」だけで分かる
意外にダメな人が多い人類の上位存在、上人類の生態と、相変わらずの時事ネタ弄りで飛ばすこの漫画『せっかち伯爵と時間どろぼう』も、はや4巻となりました。刊行日で云えばその間わずか2か月。…まあ、タイミングによっては毎月単行本を刊行する場合もあるようだしいいのか。 今……
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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 3』……他人の悪夢が残すのは
刊行からちょっと遅れましたが、『せっかち伯爵と時間どろぼう』の3巻について書いておきます。 「“海賊王”に!!!! ならないからっ!!!」と帯にも大書されている『ワンピース』を皮切りに、○ィズニーに北朝○に放射能と、相変わらず“怖いものなど何もない”系風刺ネタ(下ネ……