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漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

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「 熱い 」 一覧

【一会】『七つの大罪 39』……ラストバトルを君らと

七つの大罪(39) (講談社コミックス)

 ラストスパートに入り怒濤の展開が続く、それぞれの“罪”を背負った七人が中心となって織り成される英雄譚『七つの大罪』。引き続き、39巻の内容を追って行きたいと思います。

 物語の開幕は、前巻から引き続き、〈七つの大罪〉団長である〈憤怒の罪(ドラゴン・シン)〉メリオダスと、その弟ゼルドリスの身体を乗っ取った魔神王との戦いの舞台であるソールズベリーの湖から。
 前巻ラストで駆けつけてきた仲間たちに、巻き込みたくないメリオダスは「帰れ」と云います。けれど、バンたちが異口同音に云うとおり、やっぱりここは力を合わせなくてはならないでしょう。何しろ相手は最高神と渡り合う魔神王です。

再び心の戦場へ

 結局メリオダスも承知して、戦いは〈七つの大罪〉VS魔神王という構図に。しかし、ソールズベリーの魔法の湖から供給される魔力で、魔神王の元来の魔力である「支配者(ザ・ルーラー)」が使用可能になりつつあります。これは、自身への攻撃・弱体化を全て治癒・強化に反転させるという反則のような魔力です。
 とはいえ、魔力のオン/オフは魔神王の目視による判断によるもののようで、フェイントなどはそれなりに通用する様子。その辺りを逆手に取りつつ、やはりメリオダスが魔神王に身体を乗っ取られた時と同じように、外界で渡り合いながら、内的世界にも入り込んで、本来の身体の持ち主であるゼルドリスの意識を回復させるしかないようです。

(さらに…)

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【一会】『七つの大罪 38』……決戦の舞台に、役者は揃う

 最後の戦いが近づきつつある剣と魔力と愛の英雄譚『七つの大罪』。ここでは昨年9月刊行の38巻について、内容を追っていきたいと思います。  メリオダスたち〈七つの大罪〉と王女エリザベス、女神族や巨人、妖精、そして数え切れない聖騎士たちが一丸となった大激闘の末、つい……

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【一会】『七つの大罪 36』……苦境の中で輝くのは、いつだってそれだ

 人間と、そのトップレベルの戦士である聖騎士たち、彼らを含む全てを滅ぼさんとする魔神族、それを阻止して権勢を維持したい女神族。この3勢力を中心に、キャメロットとアーサー王の伝説の前日譚を思わせる物語が紡がれる、鈴木央氏のイングリッシュファンタジー『七つの大罪』。4月に……

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【一会】『七つの大罪 34』……散りゆく戦士たちと交代劇の真相

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【一会】『3月のライオン 13』……“勇者の場所”に立てる者、望みながら叶わぬ者

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【一会】『Pumpkin Scissors 21』…… 今、押込めていた「正義」を語ろう

 そろそろ刊行が1年前になろうか(2017年8月刊行)という事実に戦きますが、それでも『Pumpkin Scissors(パンプキン・シザーズ)』第21巻について、色々と書こうと思います。  長らく続いた“帝国”と“共和国”の戦争。停戦から3年を経ても、その傷痕は種々の……

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【一会】『双亡亭壊すべし 7』……2つの再会と、2つの遭遇

 地上の悪意と遙か彼方からの悪意。双方が絡み合って建立されたかのような奇妙な館〈双亡亭〉をめぐり、総理が、能力者たちが、異星からの帰還者が、父を亡くした子どもが、そして絵描きが死力を尽くす宇宙的怪奇熱情活劇『双亡亭壊すべし』。つい先日刊行の7巻に追いつきました。概要と思っ……

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【一会】『双亡亭壊すべし 6』……命を振り絞るということ

 呪わしいおばけ屋敷に対抗する人間たちの知恵と能力を結集した、亡者VS生者の物語と思いきや、屋敷に干渉する宇宙の彼方からの意思が明らかとなり、にわかにSFチックホラーアクションの色を帯びてきた『双亡亭壊すべし』。先日に引き続いて、昨年10月刊行の6巻について書きたいと思い……

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【一会】『双亡亭壊すべし 5』……黒と哄笑の来歴

 絵描きを目指す凧葉務(たこは・つとむ)、短刀を用いて魔を祓う刀巫覡(かたなふげき)の柘植紅(つげ・くれない)と、その弟・立木緑朗(たちき・ろくろう)、そして45年前の飛行機事故から変貌した姿で生還した凧葉青一(――・せいいち)。その4人を中心に、謎と悪意に満ちた館〈双亡……

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【一会】『月影ベイベ 9(完)』……一切は、楽の音と共に流れていきます

 毎年9月初頭に行われる富山市八尾の風習「おわら風の盆」までの季節を舞台に、高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)を始めとした「おわら」に親しむ高校生たちと、それを見守る光の伯父にあたる佐伯円(――・まどか)を始めとした大人たちの群像も描いた……

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