昨年は劇場版アニメ化も果たした、「アーサー王伝説」に連なる剣戟と魔力のイングランド・ファンタジー『七つの大罪』。既に35巻がこの17日に刊行済みですが、未読だった昨年2月刊行の30巻から、ぐいっと追いかけていきたいと思います。 ちなみに、30巻の限定版付録は「ミニ画……
「 マガジン系 」 一覧
【一会】『七つの大罪 31』……英雄不在の聖戦へ
闇の魔神族、光の女神族、そして騎士団〈七つの大罪〉と人間たちという3つの勢力による戦いがクローズアップされてきた『七つの大罪』。先日に引き続き、昨年4月刊行の31巻を読みたいと思います。
神と人との盟約
前巻ラストにて、女神族の〈四大天使〉の一角リュドシエル(王女マーガレットの肉体に憑依中)の一撃が〈十戒〉の一員の魔神族ゼルドリスを襲いましたが、それで斃れるわけもなく。ただ、時間稼ぎにはなりました。マーリンの主導で、「敬神」の戒禁を解かれた人々のキャメロットからリオネスへの移送が突貫作業で行われます。
そのさなか、メリオダスの元から立ち去ってきたエリザベスが合流しますが、チャンドラーによる攻撃を受けて手傷を受けることに。…ただこれは、彼女の前髪にまつわるエピソードを説明するためのトリガーだったようです。
エリザベスは、呪いによって残り2日ちょっとしか生きられません。それでも彼女が〈七つの大罪〉に頼むのは、メリオダスの魔神王化を止めるという1点のみ。彼女自身はもう覚悟しているのかもしれませんが、やはり悲壮この上なく思えます。
ただ、メリオダスとバンを欠き、ゴウセルは大破している〈七つの大罪〉は、戦力としてはほぼ半減。マーリン、エスカノール、キング、ディアンヌの4人だけでエリザベスの願いを完遂するのは厳しいでしょう。
不安が残る中、人々が移送されたリオネス城に、エリザベスと〈七つの大罪〉、ギルサンダーを含む聖騎士達、そしてリュドシエルら〈四大天使〉が集結します。リュドシエルから持ちかけられた提案は、戦力不足のエリザベスたちにとって是非もないもの。女神族への疑念は根深いですが、ひとまずここに〈七つの大罪〉および人間たちと女神族〈光の聖痕(スティグマ)〉との間に同盟関係が結ばれることとなりました。
広告
-
【一会】『Pumpkin Scissors 21』…… 今、押込めていた「正義」を語ろう
そろそろ刊行が1年前になろうか(2017年8月刊行)という事実に戦きますが、それでも『Pumpkin Scissors(パンプキン・シザーズ)』第21巻について、色々と書こうと思います。 長らく続いた“帝国”と“共和国”の戦争。停戦から3年を経ても、その傷痕は種々の……
-
【一会】『進撃の巨人 25』……その信念の意味と価値
巨人化する能力を有するエルディア人の一種族“ユミルの民”、彼らの力を軍事利用してきた軍事国家マーレ、その両方がそれぞれの思惑から殲滅を願うパラディ島の“壁”の中に逃れたエルディア人たち。当初の“人類VS巨人”という構図から大きくかけ離れた世界の実態が明らかとなりつつある……
-
【一会】『進撃の巨人 24』……あの時、君が思っていたのは
巨人化する力を持つ“ユミルの民”を擁するエルディア人と、その力を軍事的に利用してきたマーレ、彼らが勢力を維持するために壊滅を狙うパラディ島壁内のエルディア人。そんな構図を成す“物語を規定していた「壁」の外側”から、これまでの戦いが再記述されている『進撃の巨人』。昨年12……
-
【一会】『進撃の巨人 23』……遠く離れた壁の内側で
巨人から逃れ壁の中で生き延びた人類が、その存亡をかけて、壁外から襲い来る巨人と戦う。そんな当初の前提から、大きく変容した世界の構図が明るみに出た『進撃の巨人』。 既に今月25巻が刊行されていますが、プレイバック的な意味合いも含めて、過日の22巻に続き23巻から読んで……
-
【一会】『七つの大罪 29』……動く状況、去らぬピンチ
年明けから三度アニメ化もされた『七つの大罪』。エリザベスをめぐって歩んできた、メリオダスの3000年にわたる過酷な時間が明かされ、“騎士団〈七つの大罪〉と魔神族との戦い”や“アーサー王伝説にどう繋がるか”ということに加えて、“彼と彼女の終着点”も気になることになってきま……
-
【一会】『七つの大罪 28』……良くも悪くも、因果は巡る
多種族による7人だけの騎士団〈七つの大罪〉と、世を滅ぼそうとする魔神族の戦い、そしてその背後にある魔神族と女神族という対立する二種族間に芽生えた愛の悲劇を描く『七つの大罪』。過日に引き続き、昨年10月刊行の28巻について語ります。 ちなみに今巻の限定版はキラキラ缶バ……
-
【一会】『七つの大罪 27』……憂心去らぬ、再集結
魔の血を受け継ぎながら平和を願ったメリオダスを団長に、様々な種族が集った7人の騎士団〈七つの大罪〉の戦いと、過去の因縁を解き明かし、アーサー王の伝説へと連なる前日譚『七つの大罪』。27巻が出たのは去年7月です。既に29巻まで出ている本作ですが、まずは今巻から、読んで思っ……
-
【一会】『七つの大罪 26』……彼が心を棄てた理由
様々な種族から成る騎士団〈七つの大罪〉と、魔神王に従う〈十戒〉。両者の戦いを描きつつ、背景には各種族の思惑が描かれた”円卓の騎士”的バトルファンタジー漫画『七つの大罪』。引き続き周回遅れ気味(既に27巻も刊行済み)ですが、5月刊行の26巻について書きたいと思います。 ……