漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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【一会】『いぬやしき 8』……意識不在の決戦

いぬやしき(8) (イブニングKC)

 普通の人間だった初老男性と男子高校生が、異星人が起こしたアクシデントによって高性能のアンドロイド化。一方は人を救い、一方は人を殺すという両極に振れた彼らの対比と対決を描く『いぬやしき』の8巻が、1月に刊行されました。色々あって4か月も経ってしまいましたが、その概要と感想を書き留めたいと思います。

 旅客機を外から強制的に操作して墜落させるという獅子神皓(ししがみ・ひろ)の暴挙により、甚大な被害が出続けている東京。さらに、まだ物語の中心にはなっていませんが宇宙からは隕石も飛来してこようかという中、犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)と皓の激突が続きます。
 やはり戦闘という面では、やや皓が優勢です。若さと、それ故の“SF慣れ(以前も少し書きましたが、“アンドロイドとなった自身を使いこなせるだけの想像力”とでも換言できるでしょうか)”と、何より人を虐殺した経験の豊富さによるものでしょう。
 しかし、壱郎も負けじと反撃します。人を救うことで自分の生を実感する彼としては、何がなんでも皓を止めなければなりません。拳の応酬は銃撃戦となり、そしてレーザーっぽい兵器を駆使した空中戦へと移り変わっていきます。

(さらに…)

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【探訪】コミティア120参加記録…原点を楽しむ

 2017/05/07  漫事探訪

 恒例の5月コミティアに参加してきたので、いつもの通り写真と文章で記録を残したい。過去の記録は下のリンクからどうぞ。 【探訪】コミティア119参加記録…さくっと参加ながら割と充実 【探訪】コミティア118参加記録…天気晴朗、穏やかに会場散策 【探訪】コミティア117参加……

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【一会】『魔法陣グルグル2 7』……そして魔王となったもの

 基本はファンタジー&メルヘンだけど、随所に滲む日本の観光地のお土産屋さん的な(良く云えばアットホーム、悪く云えば所帯じみた)雰囲気が特徴的なRPG的冒険譚の続編『魔法陣グルグル2』。1月末に7巻が出ました。初代から数えて3度目のアニメ化も決まったとのことで盛り上がる中、……

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【一会】『アルテ 6』……まずは自分の場所で

 ルネサンス末期の16世紀。その古典文化復興の中心地となったイタリアの、男社会な絵画界に、ひとり飛び込んだ貴族の娘アルテを描く絵画修行漫画『アルテ』。1月に6巻が刊行となりました。読んで思ったことを書きたいと思います。  師匠レオのアトリエに住み込んで研鑽を積んでい……

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【一会】『双亡亭壊すべし 3』……人は、辛い過去の奴隷ではない

 東京都豊島区にある“おばけ屋敷”、双亡亭が引き起こす奇怪な凶事と、そこに巻き込まれ、これを破壊せんとする人間たちのドラマ『双亡亭壊すべし』の3巻が、1月に刊行されました。ついに双亡亭内に侵入した駆け出し絵描きの青年・凧葉務(たこは・つとむ)と魔を払う〈刀巫覡(かたなふげ……

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【一会】『七つの大罪 24』……情を知った弱さ、それを捨てた強さ

 騎士団〈七つの大罪〉を筆頭とする人間側と、〈十戒〉の率いる魔神族との戦いを描く鈴木央的アーサー王物語『七つの大罪』。昨年12月に24巻が発刊されました。3か月遅れとなりましたが、色々と書いてみたいと思います。  ちなみに今巻の限定版付録である「いろはかるた」は、今年の……

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【一会】『乙嫁語り 9』……同じ方を見ている2人

 昨年暮れに出た、中央アジア諸方お嫁ストーリー『乙嫁語り』の第9巻。だいぶ遅くなりましたが、つれづれ感想などを書きたいと思います。  前巻に続きまして物語は、手先も態度も不器用系なパリヤのエピソードです。  アミルの実家ハルガルの襲撃により家がほぼ全壊し、以来アミ……

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【探訪】コミティア119参加記録…さくっと参加ながら割と充実

 2017/02/13  漫事探訪

 今年最初のコミティアに参加してきたので、恒例の写真と文章で記録を残そう。  過去の記録は下のリンクから。 【探訪】コミティア118参加記録…天気晴朗、穏やかに会場散策 【探訪】コミティア117参加記録…短時間ながら、ゆったりしっかり巡回 【探訪】コミティア116参加……

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【一会】『月影ベイベ 8』……母への想いと告白の舞

>  富山県富山市八尾に伝わる、越中おわら節に乗せて人々が舞う祭「おわら 風の盆」。その「おわら」をモチーフに、高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)、光の伯父にあたる佐伯円(――・まどか)らの関係を描く『月影べイベ』。8巻が出たのも昨年の話に……

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【一会】『進撃の巨人 21』……命の選択、“壁の外”の来歴

 やはり前巻の予告通りの発刊時期となった『進撃の巨人』21巻。遅くなりましたが、読んで思ったことなど書いていきたいと思います。  決着が近づくウォールマリア奪還戦。前巻において、どうにか敵主力の多くを打倒した人類側ですが、支払った代償もまた大きなものでした。大多数の……

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