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第148夜 神様の原作から名手が描く、機械達の挽歌…『PLUTO』
「その角の意味……なんだと思う?」「ヨーロッパの古き神々……/死の神には、角がついていた……」「角……戦士の魂を奪う狩人ハーンは“角の王”と呼ばれた……/ギリシア神話においては、冥界の王ハデス……あるいは、/ローマ神話の冥王……」「冥王……」「プルートウだ。」

『PLUTO』浦沢直樹 作、手塚治虫 原作、長崎尚志 プロデューサー、手塚眞 監修小学館『ビッグコミックオリジナル』掲載(2003年9月~2009年4月)
未来。進歩を続けたロボットは、人間とほとんど変わらない容姿の者が登場するまでに洗練されていた。人とほぼ同じ権利が保証され、人と同じように社会で暮らし、それぞれの仕事を持ち結婚もする、そんな世の中が訪れたのだ。
ドイツのデュッセルドルフで、ユーロポール特別捜査官として働くロボット、ゲジヒトは、スイス山中で世界最高水準のロボットの一体、モンブランが破壊された事件の捜査にあたる。時を同じくして、ドイツ国内ではロボット法擁護団体の幹部、ベルナルド・ランケが殺される。
モンブランとランケのどちらの遺体にも、頭部に二本の棒状のものが突き立てられ、“角”を想起させるという共通点を見いだすゲジヒト。やがて彼は、かつて大量破壊ロボットの開発をめぐりペルシア王国と各国とで戦われた第39次中央アジア紛争から続く因縁をもつ何者かの影に辿り着く。
犯人の狙いは、紛争前にペルシア王国に入ったボラー調査団の関係者、そして、モンブラン、ゲジヒト自身も含まれる、全7体の世界最高水準ロボット。少しずつ、しかし着実に、彼らの前には死の神が舞い降りようとしていた。
