戦後まもなくソ連に占領され、共産主義が台頭したパラレルな1950年代の日本を舞台に、擬人化された猫たちによる遊侠活劇を描いた『猫瞽女―ネコゴゼ―』。完結巻となる4巻が、今春刊行されました。 盲目の女芸能者・瞽女(ごぜ)にして三味線に仕込んだ暗殺剣の達人でもある夜梅(……
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【一会】『双亡亭壊すべし 4』……彼方から来たらんとするもの
東京都豊島区に建つ、謎めいて不吉な建築物〈双亡亭〉が引き起こす奇怪な出来事と、そこに巻き込まれ、これを破壊せんとする者たちを描いた『双亡亭壊すべし』。4巻が刊行されたのは4月のことです。既に先月下旬に5巻が出ていますが、追っかけで思ったことを書いておきましょう。
〈双亡亭〉内に侵入し、超常的な事態に遭遇する、駆け出し絵描き青年・凧葉務(たこは・つとむ)と、魔を払う〈刀巫覡(かたなふげき)〉の少女・柘植紅(つげ・くれない)、そして自衛隊の突入部隊と民間の能力者たち。そして、虚空から舞い戻った少年・青一(せいいち)と、〈双亡亭〉に父を奪われた少年・緑朗、そして、国会議事堂に2人を呼び寄せ、集った歴代の総理たち。それら2つの視点から、物語は語られてきたのでした。
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【一会】『ダンジョン飯 4』……決戦の果て、癒やしのひと時と暗雲
コンピューターRPGを思わせるダンジョンの中、その深層でドラゴンに喰われた仲間を救うため、生息するモンスターを調理して栄養補給しつつ冒険を進める一行を描いた『ダンジョン飯』。4巻が出たのも2月の話になってしまいましたが、改めてその概要と感想を記したいと思います。 ち……
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【一会】『双亡亭壊すべし 3』……人は、辛い過去の奴隷ではない
東京都豊島区にある“おばけ屋敷”、双亡亭が引き起こす奇怪な凶事と、そこに巻き込まれ、これを破壊せんとする人間たちのドラマ『双亡亭壊すべし』の3巻が、1月に刊行されました。ついに双亡亭内に侵入した駆け出し絵描きの青年・凧葉務(たこは・つとむ)と魔を払う〈刀巫覡(かたなふげ……
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【一会】『3×3EYES(サザンアイズ) 幻獣の森の遭難者 4(完)』……失敗やあやまちは、イコール破滅じゃない
作中・現実世界ともに12年の時を経て、かつての最終決戦に連なった新編「幻獣の森の遭難者」が発表されたアジアン伝奇バトルロマン『3×3EYES(サザンアイズ)』。その最終巻となる4巻が、先月発刊されました。 三つ目の聖なる存在、三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)のパイ……
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【一会】『3月のライオン 12』……竜の奮迅、死神の親愛
15歳でプロ棋士になり、どうにか無事に高校を卒業した桐山零(きりやま・れい)と棋士たちによる戦いの日常と、あかり・ひなた・モモの3姉妹を中心とした川本家の日々を織り交ぜて、人々の人生の悲喜を描く『3月のライオン』。ちょうど1年ぶりの9月末に12巻の刊行となりました。アニ……
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【一会】『七つの大罪 22』……世界を覆う、そのものの名は絶望
つい先日21巻について書いた『七つの大罪』ですが、早くも一昨日に22巻が刊行となりました(自分が読むのが遅かっただけですが)。珍しく早めに読みましたので、レビュー&思ったことを書きたいと思います。 その前に、恒例の限定版付録ですが、今回はミニキャラが描かれたペットボ……
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【一会】『進撃の巨人 20』……今、まさに死力を尽くす時
前巻の予告通りの発刊となった『進撃の巨人』20巻。さっそく読んで思ったことなど書いていきたいと思います。 ちなみに、今巻の限定版付録は文章によるサイドストーリーを収録した小冊子。スマホ・タブレット向けサイトに掲載されたものの再録のようですが、「著者 諌山創」とありま……
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【一会】『ドリフターズ 5』……“天下分け目”、再演か
古代から第二次大戦まで、数多の英雄がファンタジー世界に集い、2つの陣営に分かれて戦う史実考証重視系浪漫バトル漫画『ドリフターズ』。戦いだけでなく、それに付随してファンタジー世界に文明上の革新がもたらされていく過程がまた見どころの漫画です。新刊5巻が出ましたので、刊行……