漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 熱い 」 一覧

【一会】『進撃の巨人 18』……明かされた過去と胸中。そして決戦へ

進撃の巨人(18) (講談社コミックス)

 予告通りの刊行となった『進撃の巨人18巻。今巻の限定版はサンタ服を着たエレンの“ねんぷち”です。季節を選びますが、机上のマスコットとしてはなかなか良いかと。
 本編の内容はといいますと、ヒストリアを中心とした政治劇から、再び壁と巨人をめぐる攻防に話が移ってきた感じでしょうか。前巻のラストで事情を知る者として名前が挙がった、キース・シャーディスの話を聞きに行く前半部分と、ついに開始されたウォール・マリア奪還作戦を描いた後半部分に区分できるかと思います。

 キース・シャーディスなる人物は、すでに本編中に登場しています。誰かといえば訓練兵時代のエレンたちを厳しく鍛えた禿頭の教官。彼こそがエルヴィンの先代に当たる第12代調査兵団団長キース・シャーディスでした。
 彼の語る「昔話」はエレン達に重要な情報を明かしてくれますが、それ以上に自分は、彼の高揚と失敗のエピソードそのものに共感してしまいました。「自分は特別」と考えることから、抜け出せる人はそう居ないと思います(そういえば「自分は特別」ということについては、前巻でエレンも吐露しています)。
 教官としては偏屈で現実主義っぽい印象だった彼ですが、実は人一倍「特別」への意思が強かったということでしょう。エレンの両親であるグリシャとカルラは、一方は背中を押す意味で、もう一方は好意と反感をない交ぜにした感情を向ける相手として、キースの人生を大きく変えたとも云えそうです。
 それにしても、やはり気になるのはエレンの父グリシャの素性かと。記憶喪失の状態で“壁”の外に佇んでいた彼が云わんとしていたことを突き止めるには、やはりエレンの家の地下室を調べるしかなさそうです。

(さらに…)

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【一会】『3月のライオン 11』……対峙の果てと残された者の虚脱

 17歳の少年プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)の孤独な戦いと棋士の世界、そして、そんな零を家族のように受け入れる、あかり・ひなた・モモの3姉妹を中心とする川本家のドラマを描く『3月のライオン』。前巻から9か月ほどで11巻の刊行となりました。刊行からひと月ほど経ってしまい……

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【一会】『Pumpkin Scissors 19』……“人間”との戦いを、嘲笑うな

 “帝国”とフロスト共和国の戦争による大小の「戦災」からの復興を担うとして設置された、帝国陸軍情報部第3課、通称「パンプキン・シザーズ」。そのメンバーの活躍を描くこの漫画ですが、前巻からおよそ10か月をおいての19巻刊行となりました。  前巻に引き続き描かれてい……

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【一会】『進撃の巨人 16』……突きつけられた選択肢を突っ撥ねろ

 前巻から語り始めた『進撃の巨人』。前巻での予告通り4か月後の16巻刊行となりました。  今巻は、誘拐されたエレンとヒストリアを奪還せんとするミカサたちの動きと、ヒストリアと彼女の実父であるロッド・レイスの対話が主な内容と云えるでしょう。新たな情報が明かされ、物語の様相……

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第202夜 血溜まりに“真の友情”を映して…『バトル・ロワイヤル』

「オレもだ……/オレもお前も少しずつ間違っていたんだ…/――だから俺とお前でだっ」「えっ!?」「オレの判断とお前の心(ハート)が一つになって……/本当の正解だっ」「………/……………ありがとう/川田」「――ったく………/お前ってヤツは涙腺の涸れねえ男だなっ」 『バト……

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第201夜 槌音が背を押す、それぞれの決意…『誰がために鋼は鳴る』

「ケンちゃんさんの打つ音は/とてもキレイです/私 あの音を聞くと/がんばれるって思えるんです」「  そっか……」 『誰がために鋼は鳴る』天乃タカ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2009年2月~2010年6月)  神戸の北西、山裾に広がる三木市は打刃……

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第200夜 かつての罪と命の重さ、抱えてなお歩け…『鋼の錬金術師』

「目に見えない大きな流れ――/それを「世界」と言うのか「宇宙」と言うのかわかんないけど/オレもアルもその大きい流れの中のほんの小さなひとつ/全の中の一/だけどその一が集まって全が存在する/この世は想像もつかない大きな法則に従って流れている/その流れを知り/分解して再構築する…/そ……

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第199夜 決意も、後悔も、伝えなくちゃいけない…『花もて語れ』

「朗読にとって大事なのは聴き手の人数じゃない。/たとえ聴き手がたったひとりでも、それは読み手にとって大切な大切なお客さんだ。/舞台は、別に本物の舞台でなくたって構わない。/聴き手は友達だっていい。家族だっていい。/本当に聴いてほしかったら、舞台は他人に用意してもらうものじゃなく、……

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【一会】『七つの大罪 12』……絶大なり、漆黒の力

 アニメの人気が盛り上がっていますが、漫画本編の物語も一つのクライマックスと思われる『七つの大罪』、前巻から2か月おいての12巻刊行となりました。ちなみに限定版には、全キャラ誕生日付き2015年日めくりカレンダーが付いています。  今巻は、バンとメリオダスによる“大……

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【一会】『進撃の巨人 15』……それは誰が為の“選択”か

 考えてみたら、作品そのものについて言及するのは初めてです、『進撃の巨人』。  人類を脅かす強大な巨人が闊歩する“壁”の外と、母を殺され全ての巨人を駆逐せんと怒りに燃えるエレン・イェーガー、その幼馴染で卓越した戦闘能力を有すミカサ・アッカーマン、同じく幼馴染で体力的には……

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