富山県八尾を舞台とした、伝統舞踊“おわら”にまつわる恋物語『月影ベイベ』も4巻を迎えました。 “おわら”大好きな高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と、東京からの転校生でありながら優美な“おわら”を踊る峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)。この2人と、光の伯父で蛍子ともただな……
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【一会】『謎のあの店 2』……追憶を、苦味と旨味にのせて

作者が日常生活から掘り出した“入ってみたかったけど勇気とか縁とかがなくて入れなかったお店”に思い切って入店し、ごく主観的な記憶を交えつつ紹介するこの『謎のあの店』。作者さんを知ったのは実は旅行雑誌の『旅の手帖』の1ページ漫画「今月のかけ湯くん」だったりするんですが、それはともかく2巻が発売されました。
2012年に初版発行(ちなみに掲載誌休刊と後継誌への引継ぎのために1巻は2種類のエディションがあるようです)の1巻では“前々から気になっていたお店”がメインだったのに対し、2巻では編集者その他から教えられた店も増えてきたのがちょっと気になるところ。とはいえ、作者の「あの店」が有限である以上、もちろんそれは仕方ないことだし、それでも「あの精肉店」や「あの木津温泉」「あの蚤の市」などのエピソードは、変わらずの“蔵出し”感がいい塩梅かと。
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【一会】『就職難!! ゾンビ取りガール 2』……あれ? 「成功」してるし恰好いい…?
『就職難!! ゾンビ取りガール』の1巻もよかったのですが、2巻でぴたりと軸が決まった気がするので書き留めます。 ゾンビが出る世の中、全国区では知らない人の方が多そうな東京都下(田無とか小平あたり?)を舞台に展開する、ゾンビ的事象に対処する零細企業「ゾンビバスターズ」……
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第185夜 責任=自覚×選択…『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』
「空木宗也、キミは知らないようだから言っておくが――/人に使命感を抱かせしめるものは主義などではない。/誰かの期待だ。」 『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』田中ほさな 作、小学館『ゲッサン』掲載(2011年9月~2014年1月) 何事においても「ちゃんとしたい……
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第183夜 その苦界を愛した男の、稚気と危機と機知…『じょなめけ』
「癖かな……」「癖?」「俺ぁ子供の頃から茶屋で働いて/客が望むものをまず考えろとたたきこまれて育った/そういうのはもう抜けねぇよ/ずっと裏方でやってきたんだ/“板元”って稼業は世の中全部を客にした茶屋さ/だから俺はやれば最高の板元に……/日本一の裏方になる自信があるんだ」 ……
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第178夜 奇抜さをうっちゃる相撲魂…『大相撲SF超伝奇 五大湖フルバースト』
「この技のキレ……………/そして この土俵さばき!!/もはや間違いありません!!/遂に!!/ついに…/還って来たッッ(カム・バック)!!!/デトロイトの英雄が/全米相撲の聖地に/ご帰還だ――――ッ(カム・バ――――ック)!!!」 『大相撲SF超伝奇 五大湖フルバース……
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【一会】『おるたな 宇河弘樹短編集Ⅱ』……三味線と、硝子の靴と、ピー○君
作者の代表作『朝霧の巫女』(100夜100漫第56夜)の外伝(というか自己パロディ?)が収録されている、というのが恐らく一番の話題であろう短編集『おるたな 宇河弘樹短編集Ⅱ』が発売されました。「~短編集Ⅱ」とされているのは、2000年に出た『妖の寄る家』が短編集……
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第176夜 夢現と血まみれの刃の向こう、優しさの咲く…『竹光侍』
「要するに、今の某(それがし)に刀は無用。」「大事な子を一人忘れておいでだよ、お前様」「ん……/見慣れぬ子だな……」「覗いてごらんな、ふふふふふ…」 『竹光侍』永福一成 原作、松本大洋 作、小学館『ビッグコミックスピリッツ』掲載(2006年8月~2010年3月) ……
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【一会】『月影ベイベ 3』……大人の感傷と若者の幻滅
1巻以来、楽しみに読んでいますが、ここで言及するのは初めてです。『月影ベイベ』3巻。現状では月影にもbabyにもあまり関係がありませんが、それは作者の前作『坂道のアポロン』(100夜100漫第138夜)でもそうで、それでも全編語られ終わった時にはほんのりと意味が薫るとい……