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【一会】『七つの大罪 17』……それぞれの試練の時

      2018/07/20

七つの大罪(17) (週刊少年マガジンコミックス)

 ここのところ更新が刊行に追い付いていないで恐縮ですが、先月発刊の『七つの大罪17巻を読みましたので書き留めておきます。ちなみに今巻の限定版には付箋ブックが付属。これはけっこう実用的かもしれません。

 今巻はずばり、いわゆる修行の巻と云えるでしょう。メリオダスにエリザベス、オンボロ三人組ことギルサンダー、ハウザー、グリアモールの若手聖騎士たちに、ヘンドリクセン、アーサー、ゴウセル、キングといった面々も、来たる〈十戒〉との戦いのため、実力アップを目指します。
 とはいえ、全員が同じ修行をするわけでもなく。今巻では特別メニューのメリオダスと、コンビで課題に取り組んでいるギルサンダーとハウザーの3者の様子がクローズアップされています。逆に、前巻ラストで気になる幕切れだったディアンヌとマトローナのその後は今回ちょっとだけで、次巻以降に持ち越しです。

 さて、ディアンヌを追ってきたメリオダス以下七つの大罪(欠員3人)ですが、マーリンの提案により、メリオダスにかつての“力”を戻そうと、ドルイドの聖地イスタールへと進路変更。そこでメリオダスは、ドルイドの神官ジェンナとザネリによる、“力”を戻すに足るかどうかという試練を受けます。同時にエリザベスは治癒の魔力を養うと思しき試練を受けることに。
 このメリオダスの試練ですが、えげつないです。ある種の幽霊(地縛霊)は、自分が死んだ瞬間を幾度でも経験し直し続けるという話を何かで読んだ気がするんですが、まさしくそんな感じかと。メリオダスの試練とは、幻覚の中で自らの希望と平穏が打ち砕かれた過去を繰り返し経験し続けるというものでした。耐え切れず、何度となく幻覚の世界を滅ぼしてしまうメリオダスの、真っ黒に染まった瞳が恐ろしい。何とか感情を抑え込もうとしながらも「できるわけねぇだろ!!!!!」と叫ぶ姿がまた悲痛で、いつも飄々としているだけに、胸に迫ります。

 一方、他の人たちも「修練窟」なる修行場で鍛錬に臨みます。地力を鍛えるため、持ち込めるのは魔力で補強されたトネリコの枝だけ。ちょっとゲームっぽい趣向ですね。
 全員で窟内に入りますが、場面はギルサンダーとハウザーの2人の様子へと。どうも自動的に何人かずつの組に分かれ、それぞれ課題となるモンスターと戦うという鍛錬法のようです。超強力な龍族を相手に、互いの持ち味を学ぶかのように殻を破り、どうやら一歩前進の様子。今後の活躍が期待できるかと思います。
 この2人以外にも、アーサーとゴウセルの“王様と人形”コンビや、ディアンヌを救うために珍しくやる気を出したキングと「体の方もリハビリしないと」というメリオダスの“団長と団員”コンビなんかも同様の鍛錬に取り組みます。が、とりあえず前者はまだ苦労しそうな感じで、後者はちょっとシリアスな展開に。とりあえずは今すぐどうこうということではなさそうで、ひと安心ですが、〈十戒〉をよく知るメリオダスに、キングは不審の念を抱いているようです。

 そんなこんながありつつ、“力”を取り戻したメリオダスがマーリンに頼み、ほんの10秒だけ〈十戒〉に“挨拶”をしたところで今巻はお開きです。ついに〈十戒〉による本格進攻が始まるとともに、しばらく登場しなかったバンにスポットがあたりそうな次巻18巻は12月17日刊行予定とのこと。今度の限定版は2016年「マンスリーカレンダー」付きのようです。今巻でのドルイドの言葉を解読しつつ、楽しみにしたいと思います。

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