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【一会】『七つの大罪 13』……覚醒はヒロインの証

      2018/07/20

七つの大罪(13)限定版 (プレミアムKC 週刊少年マガジン)

 予定通り2か月おいての新刊刊行となりました『七つの大罪』。はやいもので13巻となりました。ちなみに今回の限定版は〈7つの大罪〉メンバーの手配書の似顔絵をあしらったメタルマグネット7つやシールとなっています。
 13という数は7と同様、キリスト教的に“いわくつき”の数字ですが、それを意識した内容と云えるでしょうか、今巻では、ヘンドリクセンとの戦いの決着とその後の王都、そして新章といった大きな区切りが描かれています。

 とりあえず今巻で最も気になったのは、エリザベスの覚醒。ドルイドというのはケルトの祭司的な役割を担う存在だったと思いますが、「ドルイドの巫女」「女神の使徒」という言葉から、ここでは意味合いが少し異なるんじゃないかと思います。ドルイドの持つ“森の賢者”的なイメージが、アーサー王伝説のマーリンと被ることも気になりますね。この漫画の暴食の罪(ボア・シン)のマーリンはかなり大胆にアレンジされているし、本人は自分はドルイドではないと云っていますが、深読みすればエリザベスとマーリンには何らかの関係があるようにも思われます。
 それと、やはり残飯長(ゴウセルによる呼称)こと豚さんホークも印象深いです。普段の口の悪さもそのままに立ちはだかったその姿は、かなり騎士道していて今巻でいちばん格好良かったと思うんですが、どうでしょうか。
 そしてメリオダスの奥の手による戦いの決着も、もちろん見逃せません。『ドラゴンボール』の元気玉は、使用者は痛くないけれど、メリオダスの究極技は自身がとっても痛い。強大な力をふるうには痛みを伴うという寓意を感じますが、それはともかく、そんな力を駆使してのバトルは凄絶です。

 戦いが終わっての日常では、戦いの中で再会したり出会った人物達が、エール呑んで語らったり、恋仲(?)っぽくなってたり、デートに出かけてみたり、という謳歌ぶり。これにて大団円、めでたしめでたしとなってもおかしくない状況ですが、物語はまだ続くようです。
 バンとキングが旅立ち、波乱の予感が漂ったあたりで今巻はここまで。こぼれ話やアーサーの過去などの番外編がありつつ、本編は次巻へと続きます。

 次巻14巻はやっぱり2か月後の4月17日刊行予定。また特製グッズ付限定版がありそうです。
 つかの間の平和にひたりつつ、忍び寄る凶変に震えつつ、楽しみに待つことにします。

 - 一画一会, 随意散漫 , ,

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