北陸新幹線が開通し、「取材がだいぶ楽になりそう」との作者コメントが記された、富山県八尾を舞台とした伝統舞踊“おわら”の物語『月影ベイベ』、その5巻が過日刊行となりました。 1巻以来語られてきた、佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)、光の叔父である……
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【一会】『Pumpkin Scissors 19』……“人間”との戦いを、嘲笑うな
“帝国”とフロスト共和国の戦争による大小の「戦災」からの復興を担うとして設置された、帝国陸軍情報部第3課、通称「パンプキン・シザーズ」。そのメンバーの活躍を描くこの漫画ですが、前巻からおよそ10か月をおいての19巻刊行となりました。
前巻に引き続き描かれているのは、帝国に怨恨を抱く者たちの組織“抗・帝国軍(アンチ・アレス)”が巻き起こしたテロと、それに対する“帝国”の対応。“帝国”で開催された西方諸国連盟(ネヴュロ)合同会議の会期中という狙いすましたタイミングの、しかも電信など新たな技術を取り入れた蜂起に“帝国”側は浮足立ち、“ゼロ番地区”のアウトローたちの助力で辛うじて市街戦を戦っているような有様です。第3課の面々や多くの心ある者たちの活躍で、一時の絶望的な状況からは脱しつつある感はあるものの、依然として劣勢が続きます。
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【一会】『進撃の巨人 16』……突きつけられた選択肢を突っ撥ねろ
前巻から語り始めた『進撃の巨人』。前巻での予告通り4か月後の16巻刊行となりました。 今巻は、誘拐されたエレンとヒストリアを奪還せんとするミカサたちの動きと、ヒストリアと彼女の実父であるロッド・レイスの対話が主な内容と云えるでしょう。新たな情報が明かされ、物語の様相……
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【一会】『猫瞽女―ネコゴゼ― 1』……猫耳による哀愁の唄と寂びた言葉
実は最近、猫を飼い始めたのだけど、家の環境に慣れてくれるまでなかなかに大変でした。そんな折この漫画が刊行されたので個人的なタイムリー感を抱いたりしております。『朝霧の巫女』(100夜100漫第56夜)の宇河弘樹先生による新作『猫瞽女―ネコゴゼ―』です。 現実とパ……
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【一会】『いぬやしき 3』……完全なるか、勧善懲悪
ふとしたきっかけから超強力な戦闘能力を有する改造人間(というよりほぼロボット?)となってしまった初老男性の犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)と男子高校生の獅子神晧(ししがみ・ひろ)。そんな2人それぞれの「生きてる感じ」を味わうための行動を対比して描く、奥浩哉先生の『いぬ……
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【一会】『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 2』……高線量、重要現場に冴える職人技
昨年5月発刊の1巻から、8か月ちょっと空いて2巻の刊行となりました、『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』。作者の竜田一人先生が現地に働きに行く期間があるので、これくらいの刊行ペースになるのは当然といえば当然でしょう。 原発作業の様子が入り組んだ時系列で語……
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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 6(完)』……それは、歳々に還る魂のような
終わるという噂通り、本当に新年最初の『マガジン』で完結した『せっかち伯爵と時間どろぼう』。最終巻となる6巻が発刊になりました。時計仕掛けの狂騒劇は、果たしてどんな結末を迎えたのでしょうか――。 前巻の途中から、いつもの時事ネタや下ネタの色合いは薄れて、入れ替わる……
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【一会】『七つの大罪 13』……覚醒はヒロインの証
予定通り2か月おいての新刊刊行となりました『七つの大罪』。はやいもので13巻となりました。ちなみに今回の限定版は〈7つの大罪〉メンバーの手配書の似顔絵をあしらったメタルマグネット7つやシールとなっています。 13という数は7と同様、キリスト教的に“いわくつき”の……
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【一会】『乙嫁語り 7』……湯気の中に見つけた無二の人
6巻から1年と1か月という時間をおいて発刊された『乙嫁語り』7巻。今巻では前巻の「あとがきちゃんちゃらマンガ」での予告通り、フィールドワーカーのスミスさんとその案内人アリが登場します。 とは云っても、冒頭で出てくるのは、まだあどけなさが残る、さっぱり美人アニス。……
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【一会】『東のくるめと隣のめぐる 1』……装いではなく素の君で
通っている高校で隣の席の“どクール才媛”塚原めぐる(つかはら・――)がちょっと気になってる永耕助(えい・こうすけ)。この先もずっと想いは秘めて、ただの“隣の席の人”だと思っていたけれど、家の引っ越しで彼女の隣家に住むことになって――という、ある意味ラブコメのテンプレ的な……