漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 旅 」 一覧

第133夜 奇妙奇天烈な食べ物と変な色気で星3つ…『奇食ハンター』

「・・・・・・・・・・残していい?」「ヌ!?/逃げるな! 奇食ハンターとして恥ずかしくないのかッ!!」「な・・何? その奇食ハンターっていうのは?」


奇食ハンター(1) (ヤングマガジンコミックス)

奇食ハンター山本マサユキ 作、講談社『週刊ヤングマガジン』掲載(2007年6月~2010年3月)

 旧車漫画『ガタピシ車でいこう!!』を描いていた漫画家、山ちゃんは、慢性胃炎に悩む担当編集のヤッさんから何気なく“雪見ラーメン”なる食べ物の話をされ、軽い気持ちで食べに行く。それが新たな連載の取材だとは露知らず−−。
 甘口メロンスパ、キュウリ味コーラ、チョコレートおでん、白ごま納豆パフェ……。日本各地に点在する斬新な(何か間違った)メニューや、企業が開発した(やっちゃった)不思議な食品、すなわち奇食を求めて、彼らは東奔西走する。貧乏で欠食アシスタントのデン子、『ガタピシ車』から続投の悪友の金田君、行きつけの店のウェイトレスのアユちゃん達を巻き込んで…。
 そこには、想定外の美味しさや、若干の期待はずれや、そして当然、悶絶級の“個性的な味”が待っているのだった。顔に縦線、額に汗を浮かべつつ、ひたすらおバカに、時にほのかにエロスを帯びて、ハンター達の狩りは続く。

(さらに…)

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第115夜 江戸前の七兄弟、親を偲んで旅路かな…『虹色とうがらし』

「つまりなにか?/おれたちは一人の男があっちこっちの女に手をだして産ませた子どもってわけか?」「人ぎきが悪いな、それぞれみんな本気で愛しあった結果じゃ。/それが証拠に同じ年のやつは一人もおらん。」「ふざけるない!」 『虹色とうがらし』あだち充 作、小学館『週刊少年……

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第114夜 決して相容れず、けれどもかけがえのないもの達…『蟲師』

「蟲……?」「ああ/陰より生まれ/陰と陽の境にたむろするモノ共のことだ/それが見える者は少ないが/この世界の隅々にまで/それはいる」 『蟲師』漆原友紀 作、講談社『アフタヌーンシーズン増刊』→『月刊アフタヌーン』掲載(1999年1月(読切)~2008年8月)  蟲……

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第99夜 破滅に挑む、人の悲しみと儚さか…『百億の昼と千億の夜』

 2013/08/11  100夜100漫, , , ,

「神と戦うのか」「おお そうとも/わたしは相手がなに者であろうと戦ってやる/この わたしの住む世界を滅ぼそうとする者があるのなら/それが神であろうと戦ってやる!」 『百億の昼と千億の夜』光瀬龍 原作、萩尾望都 作、秋田書店『週刊少年チャンピオン』掲載(1977年7月……

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第86夜 旅人が迷い込む、叙情と禍福と幻想の万華鏡世界…『紅い花』

「あのみごとな紅い花はなんというのだろう」「知らん」 『紅い花』つげ義春 作、青林堂『ガロ』掲載(1967年10月[表題作])  林と川のある里にやってきた釣り人の主人公は、親の代わりに茶屋を切り盛りするキクチサヨコに出会う。彼女の元同級にあたるシンデンのマサジは……

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第83夜 縁(えにし)の物語は出雲に始まり出雲に果つ…『八雲立つ』

「“気”よ…!/大いなる気よ…!!/我に応えよ!/我に依り憑きてその力を貸せ!!」 『八雲立つ』樹なつみ 作、白泉社『LaLa』掲載(1992年5月~2002年7月)  東京の大学生、七地健生(ななち・たけお)は、先輩に押し付けられた劇団の舞台取材のアルバイトとし……

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第82夜 旅の最果てを目指し、少年と彼女は行く…『銀河鉄道999』

「あなたは機械の体をくれるという星へ行くのね/もし私をいっしょにつれていってくださるならパスをあげるわ/私と同じパスをあげるわ」「パス?」「そう/パスよ/無限期間有効の銀河鉄道の定期よ」 『銀河鉄道999』松本零士 作、少年画報社『少年キング』掲載(1977年1月~……

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第78夜 戦後復興期の日本が牌に映る…『哲也-雀聖と呼ばれた男-』

「…そうさ/俺達は汚ねえ世界にいるんだ/だけど俺達 玄人は/ここでしか生きられねえのさ…/なァ…/房州さん…」 『哲也-雀聖と呼ばれた男-』さいふうめい 原案、星野泰視 作、講談社『週刊少年マガジン』掲載(1997年33号月~2004年12月)  太平洋戦争での日……

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第72夜 猫による夏宵の永遠軌道…『銀河鉄道の夜-最終形・初期形』

「カムパネルラ また僕たち二人きりになったねえ/どこまでもどこまでも一緒に行こう」 『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 原作、ますむらひろし 作、朝日ソノラマ(最終形1983年10月、初期形1985年8月)  学校へ通うジョバンニは、漁に出て消息が分からない父と、病気で臥せ……

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第34夜 困惑も諍いも一時の旅情も乗せて、列車は行く…『鉄子の旅』

 2013/06/07  100夜100漫, ,

「列車を乗り降りして、久留里線の駅、すべてを見て回るんだ!!」「なんだそりゃーっ!!」 『鉄子の旅』菊池直恵 作、小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI』→『月刊IKKI』掲載(2002年1月~2006年10月)  売れない女性漫画家キクチは、小学館の漫……

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