静かに終末を待つ未来世界。黒髪黒瞳・しっかり者のちーちゃん(チト)と金髪碧眼マイペースなユー(ユーリ)が、履帯式牽引車両ケッテンクラートに揺られつつ、呑気なのか深刻なのか分からない旅を続ける、つくみず氏『少女終末旅行』。昨年11月に4巻が刊行されましたが、ようやく概要と……
「 旅 」 一覧
【一会】『乙嫁語り 9』……同じ方を見ている2人
昨年暮れに出た、中央アジア諸方お嫁ストーリー『乙嫁語り』の第9巻。だいぶ遅くなりましたが、つれづれ感想などを書きたいと思います。
前巻に続きまして物語は、手先も態度も不器用系なパリヤのエピソードです。
アミルの実家ハルガルの襲撃により家がほぼ全壊し、以来アミル達のところへ厄介になっているパリヤ達。嫁入りの準備である「布支度」として手間ひまかけて刺繍していた布類も失ってしまい、これを再度準備しないとお嫁に行けなと焦りがつのり、ついでにちょっとお転婆なところを婚約相手のウマルに見られてしまい、絶対嫌われた! と、例のマイナス思考で鬱々しているところに、いい感じのお嬢さんカモーラと友達になり、少し救われたパリヤ――というあたりまでが、前巻の内容だったと思います。
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【一会】『ダンジョン飯 3』……水棲系食材の宝庫で思う、迷宮の環境学
コンピューターRPGの古典『ウィザードリィ』(wikipedia)を思わせる「狂乱の魔術師」によるダンジョンを舞台に、生息しているモンスターを捕食するという『ダンジョンマスター』(wikipedia)っぽい要素を組み込み、モンスター料理を味わいながらの探索行を描く、九井……
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【一会】『少女終末旅行 3』……“終わり”に臨む心構え
割と絶望的な未来の世界を舞台に、黒髪黒瞳・しっかり者のちーちゃん(チト)と、金髪碧眼マイペースなユー(ユーリ)の、履帯式牽引車両ケッテンクラートに揺られる、奇妙にゆったりとした旅路を描いた、つくみず氏の『少女終末旅行』。予想よりも少し早く、このほど3巻が刊行されました。……
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【一会】『魔法陣グルグル2 5』……勇者さらわれる。乙女パーティ結成
シロップと粉砂糖たっぷりのパンケーキにハーブティー、そこに何故か具がたっぷり入った豚汁というセットメニューをダンスフロアでいただくような、RPG風メルヘンチックアドベンチャー漫画『魔法陣グルグル2』。先日新刊の5巻が発売となりました。 幻のグルグルと云われる「か……
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【一会】『猫瞽女―ネコゴゼ― 2』……温泉地の勝負の行方はロシア式
巫女に次いで猫耳という、ある意味で近年のヲタク界隈の要求を飲み込んだ上で、見事に渋み溢れる作品世界を描き出す宇河弘樹先生の『猫瞽女―ネコゴゼ―』第2巻が先日刊行されました。 描かれるのはパラレルな195X年。戦争に勝利したソ連によって支配され「日本自治ソビエト社会主……
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【一会】『アルテ 4』……想いを残し、新天地へ
16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族出身ながら画家を志望する元気少女アルテの修行の様子と、師匠であるレオへの淡い恋心、当時の人々の生活描写がそれぞれに興味深い『アルテ』。先ごろ4巻が発刊されましたので、書き留めておきましょう。 前巻では重労働のフレスコ画の助……
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【一会】『少女終末旅行 2』……希望が潰えた時に浮かぶもの
先日、話題の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(公式サイト)を観てきました(高性能サブウーファーを新規導入した立川シネマシティの「極上爆音上映」は確かにすごかったです)。過激に恰好いい世界観と、人間の誇りを謳うストーリーがとても面白かったのですが、あの映画が描く遠未……
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第204夜 惑い彷徨ってこそ、救う世も在れ…『水使いのリンドウ』
「わからないよアッシュ…/いままでも何も知らずに間違いだらけだったんだ……/自分が正しい自信は何もない…」 『水使いのリンドウ』一色登希彦 作、集英社『ジャンプSQ.19』掲載(2010年8月~2012年6月) 竜と皇族(おうぞく)の間に交わされる百年契約で成り……
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【一会】『魔法陣グルグル2 4』……「ウソ」と「ホント」で禍根の予感
今回も、前巻からきっちり8か月で4巻の刊行となりました『魔法陣グルグル2』。前巻でサビーナ山の「ともだちのダンジョン」を無事にクリアした勇者(?)ニケとグルグル使いククリたちの一行。しかし、ククリと同じミグミグ族である魔王によって、膨大な魔力を誇る魔神「月」は奪われ、夜……