古き良きファンタジーRPG的な世界観のもと、地下迷宮で魔物を食べるという要素を中心に据えた冒険物語として始まり、次第にダンジョンという概念自体を再検討する意識が顕わとなってきた九井諒子氏の『ダンジョン飯』。少し間が空きましたが4月に刊行された6巻について書きたいと思いま……
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【一会】『七つの大罪 39』……ラストバトルを君らと
ラストスパートに入り怒濤の展開が続く、それぞれの“罪”を背負った七人が中心となって織り成される英雄譚『七つの大罪』。引き続き、39巻の内容を追って行きたいと思います。
物語の開幕は、前巻から引き続き、〈七つの大罪〉団長である〈憤怒の罪(ドラゴン・シン)〉メリオダスと、その弟ゼルドリスの身体を乗っ取った魔神王との戦いの舞台であるソールズベリーの湖から。
前巻ラストで駆けつけてきた仲間たちに、巻き込みたくないメリオダスは「帰れ」と云います。けれど、バンたちが異口同音に云うとおり、やっぱりここは力を合わせなくてはならないでしょう。何しろ相手は最高神と渡り合う魔神王です。
再び心の戦場へ
結局メリオダスも承知して、戦いは〈七つの大罪〉VS魔神王という構図に。しかし、ソールズベリーの魔法の湖から供給される魔力で、魔神王の元来の魔力である「支配者(ザ・ルーラー)」が使用可能になりつつあります。これは、自身への攻撃・弱体化を全て治癒・強化に反転させるという反則のような魔力です。
とはいえ、魔力のオン/オフは魔神王の目視による判断によるもののようで、フェイントなどはそれなりに通用する様子。その辺りを逆手に取りつつ、やはりメリオダスが魔神王に身体を乗っ取られた時と同じように、外界で渡り合いながら、内的世界にも入り込んで、本来の身体の持ち主であるゼルドリスの意識を回復させるしかないようです。