「物心も付いてない頃/家族で出かけた遠い町 太陽光を浴び黄金色に燃えていた麦畑に今度は私が連れていくから/火が鎮まるまでお話しよう/その後は一緒に流れ星を探そう/古旅館の頼りない窓を優しく開けてせーので見上げた夜空には/星なんてひとつもなくて」 『空が灰色だから』阿……
「 黒い 」 一覧
【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 1』……変わらぬ安定感と、既にある不穏
帯には「待望した!」と大書されている、『さよなら絶望先生』(100夜100漫第36夜)で知られた久米田康治先生の最新作『せっかち伯爵と時間どろぼう』の1巻を読みましたので、思うところを書きとめようと思います。
先に作風の話をすると、「不労腐死」とか「9金以下の純度のものだけ買い取り」とか拷問とか臓物とか、言葉遊びから風刺的な内容でギャグを展開し、しかも若干黒いという、前作までのノリを踏襲している感じです。若干、下ネタの度合いが増しているように思えますが、最初期の『行け!!南国アイスホッケー部』ほど頻発はしません(それでも「汁九度ソレイユ」「三匹のかぶった」など、一発あたりの破壊力は変わらないかもしれません。苦手な方はご注意を)。
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第88夜 少女達の絶望と、公権力の暗部…『ブラッドハーレーの馬車』
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