漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 随意散漫 」 一覧

【一会】『おるたな 宇河弘樹短編集Ⅱ』……三味線と、硝子の靴と、ピー○君

おるたな―宇河弘樹短編集2 (ヤングキングコミックス)

 作者の代表作『朝霧の巫女』(100夜100漫第56夜)の外伝(というか自己パロディ?)が収録されている、というのが恐らく一番の話題であろう短編集『おるたな 宇河弘樹短編集Ⅱ』が発売されました。「~短編集Ⅱ」とされているのは、2000年に出た『妖の寄る家』が短編集Ⅰに当たるためでしょう。
 「おるたな」というのはもちろん英語のalternativeから来ているわけで、「もうひとつの」というキーワードのもと、『朝霧の巫女』外伝「アサギリノミコ」とあと2つ、計3編が収録されています。とはいえ、キーワードに合致しているのは正直なところ「アサギリノミコ」だけかなー、と。残り2編にこの言葉は、ちょっとこじつけっぽい気がしないでもないです。
 とはいえ、これまで存在は知りながらも読む機会を得なかった短編を読むことができるのは、やはり有難いです。以下、掲載順に従ってちょっとずつ触れてみましょう。

(さらに…)

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【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 2』……ネタと時間移動の振幅

 最近、当ブログへやってくる方の検索ワードでとみに増えている『せっかち伯爵と時間どろぼう』の2巻が刊行となりました。  「※ギャグ漫画です。」という帯が逆に意味深に思えたりもしますが、2巻の内容としてはその通りかと思います。この漫画に限らず、1巻は物語の導入として、どう……

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【一会】『月影ベイベ 3』……大人の感傷と若者の幻滅

 1巻以来、楽しみに読んでいますが、ここで言及するのは初めてです。『月影ベイベ』3巻。現状では月影にもbabyにもあまり関係がありませんが、それは作者の前作『坂道のアポロン』(100夜100漫第138夜)でもそうで、それでも全編語られ終わった時にはほんのりと意味が薫るとい……

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【一会】『白暮のクロニクル 2』……“オキナガ”たちの日常的な悔恨

 早いものでもう『白暮のクロニクル』の2巻が出ました(出たのはGW前の4/30ですが)。とはいえ1巻から3か月経ってますので、週刊連載としては普通のペースですかね。  さて、今巻で描かれた要素は、羊殺しの犯人は誰か…という話は置いておいて、大きく云うと2つかと。不死であ……

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【一会】『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 1』……収束はしてない。だから働いてます

 GWも後半、いかがお過ごしでしょうか。  昨日は憲法記念日でしたね。だからというわけではありませんが、今日は社会派(?)なこの漫画、竜田一人先生の『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』を。  9.11にまつわる漫画はこれまでも結構な数が出版されているかと(商業……

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【一会】『蟲師 特別編 日蝕む翳』……再会と、満ち欠けへの祈り

 桜も終わって、そろそろ緑が眩しい季節になりました。  この季節に合わせたかのような濃緑が目に染みる表紙で現れた本書『蟲師 特別篇 日蝕む翳』。以前100夜100漫で扱った『蟲師』(第114夜)の続編、というか新エピソードが描かれています。昨年末に『アフタヌーン』で……

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【一会】『七つの大罪 8』……その者の名前、マーリン

 祝アニメ化、ということで徐々に出版社も力を入れ始めている気がする『七つの大罪』。単行本の刊行ペースは2か月に1巻のようですね。  今回の8巻で、なんとなーく、メリオダスたちが罪を着せられている10年前の王国転覆疑惑事件の手がかりらしきものが示されてきました。メリオ……

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【随想】卒業シーズンに、“卒業”を描いた漫画を想う

 2014/03/27  随意散漫

 3月も25日を過ぎて、そろそろ卒業式シーズンも終わろうかというところですかね。  自分もそれなりの数の卒業式を経験してきましたが、どうにもあの雰囲気には弱いです。つい涙腺が緩んでしまう、といいますか。それはともかく、そんな季節に合わせて今回は“卒業”のある……

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【一会】『月光条例 28』……いまはまだ、泣くべき刻じゃないぜ

 26巻から毎月連続刊行されている『月光条例』。今巻で28巻となりました。このまま最終巻まで行くのでしょうか。 (さらに…)……

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【一会】『銀の匙 Silver Spoon 11』……年度終わりと、愛すべきシビアさ

 長いようでやっぱり長かった、エゾノーでの1年が終わろうとしています。と云っても、ここでは初めて言及する漫画ですね。少し説明を加えましょう。『銀の匙 Silver Spoon』は、ガリ勉タイプだった少年・八軒勇吾(はちけん・ゆうご)が、進学先の大蝦夷農業高校で、それまでと……

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