100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

*

「 日別アーカイブ:2018年12月10日 」 一覧

【一会】『魔法陣グルグル2 10』……魔王、交代。振り出しのジミナ村

魔法陣グルグル2(10) (ガンガンコミックスONLINE)

 テキトー感あふれる勇者の少年ニケと、気持ちが魔方陣の効果に反映される神秘の魔法「グルグル」を使う少女ククリの、再びの冒険を描いている『魔法陣グルグル2』。過日に続き、今年9月に出た最新10巻について、概要と読んだ思いを綴って参りましょう。

 なんだかヤバそうな技術「マキニカ」が魔王のものになるのを阻止すべく、その在処とされる秘境ズックニィはケムリの塔までやってきたニケたち。前巻ラストで最上階らしい扉を開くことに成功しました。その直後から、今巻のお話は始まります。

新・魔王の誕生

 扉の向こうには、果たして魔王の姿がありました。そして時すでに遅し、「マキニカ」は彼女の手にあったのです。
 魔王の示した「マキニカ」とは、ぱっと見はただの“中身の入った割れかけたカップ”。しかしそれは、技術の神テクネロが自らの“世界最初の失敗”を取り繕うため、世にもたらしてしまった力の象徴なのでした。魔王が云うところによれば、「なんの理屈もなんの技術もなーい/ただただ成立しているこの力」を用いれば、「どんな武器でも作りほーだい」だとか。そんな絵空事じみた、因果律無視の、チートな力に対し、魔技師であるトマは「ズルだ」と気色ばみますが、魔王は一笑に付します。これからは地道な「くふう」ではなく、やりたい放題の「闇くふう」の時代だ、というのです(ちなみにここで“ラッパ吹き”の誕生にもテクネロが関与していたことが明らかになりますが、なんとも残念な経緯に脱力します)。

(さらに…)

広告

広告

広告

広告