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【一会】『乙嫁語り 11』……いざ復路の旅へ
姉さん女房なアミルとカルルクという若夫婦を筆頭に、中央アジアの諸地域における人々の結婚と生活を描いている『乙嫁語り』。最新刊の11巻も読みましたので、色々と書き記したいと思います。
今巻はほぼ全編、スミスさんのお話。中央アジアの文化に興味を抱き、イギリスからやって来たこのフィールドワーカーも、ただの観察者というわけにはいかなくなってきました。
冒頭の「寒中歌」は、アミルたちの冬の暮らしを描いたもの。彼女たちの出番は今巻ここだけだったりします。
各ページ1枚画に少しのネームという、絵本のようなバンド・デシネ(欧州の漫画表現)のような形式は、この漫画でたびたび登場するものですが、ここでは冬の暮らしの楽しみを詠った詩のように思われます。2巻でも、アミルやカルルクが馬に乗りながら即興で作る歌のしりとりみたいな遊びをしていましたが、この時代・この地域では、季節や景色を歌にするというのは割と普通のことだったのでしょう。