100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

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「 熱い 」 一覧

第157夜 芸術も友情も、無条件だからいい…『ぼくらのフンカ祭』

「なあ…/オレ多分、一生忘れねーわ。/この光景。/ありがとな桜島。/オレをさそってくれて。」


ぼくらのフンカ祭 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

ぼくらのフンカ祭真造圭伍 作、小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』掲載(2012年3月~同7月)

 地元の東金松(かねまつ)高校に入学した富山剛士(とやま・たけし)は、さっそくだらけた高校生活を謳歌していた。そんな時、金松町にある火山が突然噴火。もともと過疎の上に火山灰に埋もれた町の行く末が案じられたが、図太く温泉地として繁栄することになってしまった。
 剛士はそんな町の様子が面白くない。友人の桜島裕(さくらじま・ゆう)と学校をサボっては町をほっつき歩いたり、すっかり土産物屋に変貌してしまった家の手伝いをしたり。
 ある日、剛士の姉の翠(みどり)が通う大学まで届け物をした2人は、翠たちが大学の寮に居座って学祭の開催を画策していることを知る。火山灰を理由に、寮も学祭も取り止めようとする大学側に反抗し、学生達はどうにか学祭を盛り上げようとしていたのだ。
 学生達のリーダーは、初対面の裕にまでアイデアがないかと迫る。助け船のように剛士が云い出したのは、文化祭と噴火をかけた、町ぐるみのお祭り、“フンカ祭”だった。
 ゴロの良さのせいなのか、たちまち話は大きくなり、町全体が祭に沸くことになっていく。しかし、その軽薄さに2人の胸中は複雑に。そこに魅惑的なダンスで男を虜にする女子大生、高橋みゆきも現れ、2人は疎遠になっていく。
 近づく祭の日。彼らの思い描いた“真のフンカ祭”はどうなるのか−−。

(さらに…)

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【一会】『七つの大罪 7』……ひねくれ者の仲間思い

 書こう書こうと思っていながら遅くなってしまいましたが、最近の人気作でもあるし、『七つの大罪』の新刊7巻について、ちょっと思った事を書こうと思います。  メリオダスの暴走と例の欠けた剣の喪失(黒目がちな無表情が恐ろしい!)、そんな彼を痛めつけた相手へのディアンヌの怒……

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第149夜 中学教師と生徒達、全身全霊でぶつかります…『鈴木先生』

「問題児にも/カミサマにも/手のかからないいい子にも囲まれて−−−−/回想モードは終了だ!!/今日も/こいつらに/全力で教えよう/めいっぱい クールに…/せいいっぱい 真摯に-−−−」 『鈴木先生』武富健治 作、双葉社『漫画アクション』掲載(2005年5月~2011……

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【一会】『月光条例 26巻』……それぞれができるコト

 「随意散漫」カテゴリでは継続中の漫画についても言及する、というわけで、先日発売の『月光条例』26巻について書いてみようと思います。(←後日追記:単行本1巻ごとの記事については、ひとまず「随意~」のサブカテゴリとして「一画一会(いちがいちえ)」を設定しました。) ……

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第137夜 波乱の刻を咲き誇った、幾つもの魂…『ベルサイユのばら』

「神の愛にむくいる術ももたないほど小さな存在ではあるけれど…/自己の真実のみにしたがい/一瞬たりとも悔いなくあたえられた生をいきた/人間としてそれ以上のよろこびがあるだろうか」 『ベルサイユのばら』池田理代子 作、集英社『週刊マーガレット』掲載(1972年4月~19……

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第126夜 ≠アニメ、もう1つの“反逆”に熱くなれ…『スクライド』

「運命−−−−これほど反逆し甲斐のある相手もいねーーな/そう思うだろ? あんたも!!」 『スクライド』黒田洋介(スタジオオルフェ) シナリオ、戸田泰成 漫画、秋田書店『週刊少年チャンピオン』掲載(2001年6月~2002年4月)  21世紀初頭、神奈川県横浜を中心……

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第119夜 伝説の大和型4番艦、起つ!…『新海底軍艦 巨鋼のドラゴンフォース』

 2013/10/26  100夜100漫, , ,

「アネット拉致サルトノ報ニ接シ/海底軍艦ラ號ハ直チニ出動/コレヲ救出セントス/本日天気雨天ニシテ波高シ」 『新海底軍艦 巨鋼のドラゴンフォース』飯島ゆうすけ 作、角川書店『月刊少年エース』掲載(1995年9月~1996年11月号)  第二次世界大戦末期、各国は、……

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第116夜 喜怒哀楽を一緒くたに、画稿に叩きつけろ…『燃えよペン』

 2013/10/17  100夜100漫, ,

「一、命がけで描け/一、限界を超えて描け/一、夢を見て描け/一、自信をもって描け/一、思い切って描け/一、食うのを忘れて描け/一、よく寝てから描け/一、明日も描け/一、最後まで描け/一、失敗したら新しいのを描け」 『燃えよペン』島本和彦 作、竹書房『月刊シンバッド』……

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第95夜 野望を貫き、護ることこそが悪の流儀…『はじめてのあく』

「悪の組織が世界を獲ろうとする理由――わかるか来栖?」 『はじめてのあく』藤木俊 作、小学館『週刊少年サンデー』掲載(2009年1月~2012年5月)  神奈川県の藤沢で暮らす高校生、渡キョーコ(わたり・――)は、ある朝とつぜん体の自由を奪われる。従兄弟の阿久野ジ……

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第90夜 勇者は誰か…『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』

「なんでもできる反面なんにもできないのが勇者って人種さ…/だが…勇者にも一つだけほかの奴には真似できない最強の武器がある…」「えっ!? な…なにそれ!?」「決まってんだろ/勇者の武器は/“勇気”だよ!」 『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』堀井雄二 監修、……

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