漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 大人 」 一覧

第112夜 大人の男に大切な事…『LA QUINTA CAMERA 〜5番目の部屋〜』

「あの貼り紙の下宿先ってあんたの所?」「ああ、俺とこのチェレと残りふたりの/男4人で暮らしてるアパートの一室だ。/4人とも働いてるし/お互いの生活に干渉はしてない。/部屋は使いやすいよ/家賃もウチは安めだ」


LA QUINTA CAMERA―5番目の部屋 (IKKI COMIX)

LA QUINTA CAMERAラ・クインタ・カーメラ) 〜5番目の部屋〜』オノ ・ナツメ作、ぺんぎん書房ウェブコミック誌『COMIC SEED!』掲載(2003年11月~2004年4月)+書き下ろし

 北イタリアのとある町。柱廊の下を歩いていった先に建つ、とあるアパートには、中年男が4人で共同生活をしている、ちょっと不思議な一室がある。
 家主でバールを営んでいるマッシモ。派手好みで、いつも騒動を起こすが憎めないチェレ。いつも街角で演奏している音楽家のルーカ。無口で影のある美男のトラック運転手、アル。そんな4人が、空き部屋の“5番目の部屋”に迎え入れるのは、町を訪れる短期留学生たち。
 語学留学のデンマーク人の女の子、イラストレーターの卵、4人よりも年上の紳士、ポテト大好きなアメリカ人――。次々と訪れ去っていく“5番目の部屋”の住人たちを歓待しつつ、4人の人生の一コマもまた、ゆっくりと過ぎ行くのだった。

(さらに…)

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第108夜 複雑な感情が、シンプルな関係性に現れる…『式の前日』

「……だって/泣いてんじゃん?」 『式の前日』穂積 作、小学館『月刊flowers増刊 凜花』→『月刊flowers』掲載(2010年10月~2012年7月)  結婚式を前日にひかえた女と男、久方ぶりに再会する幼い娘と父親、高校時代の想い人を亡くした初老の双子の兄……

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第86夜 旅人が迷い込む、叙情と禍福と幻想の万華鏡世界…『紅い花』

「あのみごとな紅い花はなんというのだろう」「知らん」 『紅い花』つげ義春 作、青林堂『ガロ』掲載(1967年10月[表題作])  林と川のある里にやってきた釣り人の主人公は、親の代わりに茶屋を切り盛りするキクチサヨコに出会う。彼女の元同級にあたるシンデンのマサジは……

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第63夜 街をさまよう、まだ見ぬ郷愁の味を求めて…『孤独のグルメ』

「モノを食べる時はね/誰にも邪魔されず/自由で なんというか救われてなきゃあ/ダメなんだ」 『孤独のグルメ』久住昌之 原作 谷口ジロー 作画、扶桑社『月刊PANJA』掲載(1994年8月~1996年4月) ※2008年1月より扶桑社『SPA!』にて不定期掲載  井……

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第51夜 ふたりでいるって、割と素晴らしいこと…『くらしのいずみ』

「俺らももう長いし/そろそろする? 結婚」 『くらしのいずみ』谷川史子 作、少年画報者『YOUNGKING アワーズ増刊アワーズプラス』『YOUNGKINGアワーズ』掲載(2006年4月~2008年1月)  世の中には色々な夫婦がいる。友達のような夫婦、文科系優男……

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第45夜 新鋭機と“お役所的仕事”の流儀…『機動警察パトレイバー』

「よくみとくといいや。/志望がかなえばこいつに命預けることになる。」「じゃ……じゃあこれが……/新型の警察用レイバー!?/こ…これは…/趣味の世界だねえ……」「とかいいながらわりと気に入ってるだろ。」 『機動警察パトレイバー』ゆうきまさみ 作、小学館『週刊少年サンデ……

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第44夜 恋と夢と。彼らが選んだのは…『部屋(うち)へおいでよ』

「ねェ……/これから……/いっしょに…/観よっか…/部屋(うち)においでよ…」 『部屋においでよ』原秀則 作、小学館『週刊ヤングサンデー』掲載(1990年月~1994年月)  東京、阿佐ヶ谷のとあるパブ。ピアノを弾く水沢文(みずさわ・あや)と、客なのに店の手伝いを……

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第40夜 神職だって、お金は欲しいし恋もしたい…『神社のススメ』

「神社は宗教だがビジネスなんです/そしてアミューズメントだ」 『神社のススメ』田中ユキ 作、講談社『月刊アフタヌーン』掲載(2004年4月~2006年6月)  大神社の宮司の次男、里見信二郎(さとみ・しんじろう)。実家の神社は兄に任せ、自分は好きな舞を仕事にしよう……

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第38夜 杯を満たす葡萄の香に、人生の喜怒哀楽は映る…『ソムリエ』

「本当に正しい組合せというのは/料理とワインの間ではなく/ワインとお客様の間にあるんじゃないかな」 『ソムリエ』城アラキ 原作、甲斐谷忍 漫画、堀賢一 監修、集英社『MANGAオールマン』掲載(1996年1月~1999年6月)  パリで暮らす日本人、佐竹城(さたけ……

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第22夜 明治という時代の狂騒と癒えない病…『『坊ちゃん』の時代』

「あいつか/妙に赤い服を着てたなあ/あの野郎………欧州時代から反(そり)があわなかった/いけすかないが結局は………/……ああいうやつが勝ち残るんだろうなぁ/これからの日本じゃ」 『『坊ちゃん』の時代』関川夏央・谷口ジロー 作、双葉社『週間漫画アクション』掲載(198……

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