富山県八尾の伝統舞踊“おわら”を遠景に、“おわら”の踊り手である高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)、光の伯父である佐伯円(――・まどか)の三角関係を中心とした人間模様を描く『月影べイベ』も、先月6巻の発刊となりました。実際の富山市八尾町での……
「 人生 」 一覧
【一会】『3月のライオン 11』……対峙の果てと残された者の虚脱
17歳の少年プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)の孤独な戦いと棋士の世界、そして、そんな零を家族のように受け入れる、あかり・ひなた・モモの3姉妹を中心とする川本家のドラマを描く『3月のライオン』。前巻から9か月ほどで11巻の刊行となりました。刊行からひと月ほど経ってしまいましたが、書いておきましょう。
前巻の末尾で川本家の“父親”との対峙が描かれましたが、今巻ではその流れを引っ張りつつ、その対峙の終結だけでは一件落着とはいかない、川本家の微妙な様相を映していると云えそうです。
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【一会】『孤独のグルメ 2』……18年ぶり。無邪気さと、変わらぬ自由さ
個人で輸入雑貨を商う井之頭五郎(いのがしら・ごろう)が、主に都内の街で見知らぬ飲食店に入り、そこでの食事や湧き起こってくる想念を淡々と描き流す食事漫画『孤独のグルメ』(100夜100漫第63夜)。その第2巻が、実に18年の歳月を経て刊行されました。1996年までの連載で……
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【一会】『月影ベイベ 5』……“何てことのない”悲劇と、大人の素直さ
北陸新幹線が開通し、「取材がだいぶ楽になりそう」との作者コメントが記された、富山県八尾を舞台とした伝統舞踊“おわら”の物語『月影ベイベ』、その5巻が過日刊行となりました。 1巻以来語られてきた、佐伯光(さえき・ひかる)と峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)、光の叔父である……
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第201夜 槌音が背を押す、それぞれの決意…『誰がために鋼は鳴る』
「ケンちゃんさんの打つ音は/とてもキレイです/私 あの音を聞くと/がんばれるって思えるんです」「 そっか……」 『誰がために鋼は鳴る』天乃タカ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2009年2月~2010年6月) 神戸の北西、山裾に広がる三木市は打刃……
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第198夜 笑いあって手を繋いで、それなのに零れる涙…『西荻夫婦』
「明日が来なくても/まあ もう充分ってカンジかな―――」「えーッ/もう充分なの?」「うまく言えないけどね」「けっこうあっさりした境地へ/行っちゃうんですね/夫婦って」「なにわかったふうな」「恋愛じゃないからね」 『西荻夫婦』やまだないと 作、祥伝社『フィール・ヤング……
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第193夜 拙くのぼる、大人の階段…『やさしい子供のつくりかた』
「ずっとずっと/さきのことだけど。/どっからが大人なのか/全然わかんないけど/「大人になったら」って思ってる/おれは/きっとまだ子供なんだろうな」 『やさしい子供のつくりかた』丘上あい 作、講談社『デザート』掲載(2002年6月~2005年10月) 小学6年生の……
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【一会】『いぬやしき 2』……孤独と恍惚を抱え、戦う機能をイメージする
刊行からはや1か月弱ということで、かなり出遅れた感がしますが、『いぬやしき』2巻について一くさり語ります。 会社でも家庭でも肩身の狭い、歳よりもかなり老けて見られる犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)58歳が、ふとしたアクシデントによって、自分の記憶や意識を保ったまま……
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第189夜 霊との日々、それが“少年”を了えさせる…『花田少年史』
「いいからちんちんしまえよ/いい大人が・・・・!/おばけだからってナニしてもいいと思ったら大間違いだぞ!」「へへへ―――/おいちゃんは裸がいち~~ばん好きなの!」 『花田少年史』一色まこと 作、講談社『ミスターマガジン』掲載(1993年9月~1995年8月)、のち『……
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【一会】『月影ベイベ 4』……何かが変わる、その瞬間
富山県八尾を舞台とした、伝統舞踊“おわら”にまつわる恋物語『月影ベイベ』も4巻を迎えました。 “おわら”大好きな高校生の佐伯光(さえき・ひかる)と、東京からの転校生でありながら優美な“おわら”を踊る峰岸蛍子(みねぎし・ほたるこ)。この2人と、光の伯父で蛍子ともただな……