漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 業界 」 一覧

【一会】『白暮のクロニクル 5』……研修のち悪意不在の罪、ときどきラブコメ

白暮のクロニクル 5 (ビッグコミックス)

 吸血嗜好と長命性を持った“オキナガ”がいる世界を舞台に、厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)の新人、伏木あかり(ふせぎ・――)と、古参の“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)を中心に描かれる、ファンタジック社会派公務員ミステリ(?)な『白暮のクロニクル』。予告通り4月末の5巻刊行となりました。今巻は予告通り、あかりの出張研修先での出来事が主な内容となります。

 8月のお盆前からお話は始まります。あかりの母校である城南医大の先輩、山田一太(やまだ・いった)医師が登場しつつも、前巻ラストで知らず知らず魁の逆鱗に触れてしまって以来、まだ2人の関係は微妙に修復されていない模様。
 あかりの直属の上司である久保薗(くぼぞの)さんの云うように「戦前の少年」である魁の心情は、平成の若者であるあかりにはなかなか理解し難いところがあるのかも…というか、それ以前に魁はほぼ不死身の“オキナガ”ですから、無理からぬことかもしれません。

(さらに…)

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第201夜 槌音が背を押す、それぞれの決意…『誰がために鋼は鳴る』

「ケンちゃんさんの打つ音は/とてもキレイです/私 あの音を聞くと/がんばれるって思えるんです」「  そっか……」 『誰がために鋼は鳴る』天乃タカ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2009年2月~2010年6月)  神戸の北西、山裾に広がる三木市は打刃……

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【一会】『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 2』……高線量、重要現場に冴える職人技

 昨年5月発刊の1巻から、8か月ちょっと空いて2巻の刊行となりました、『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』。作者の竜田一人先生が現地に働きに行く期間があるので、これくらいの刊行ペースになるのは当然といえば当然でしょう。  原発作業の様子が入り組んだ時系列で語……

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【一会】『白暮のクロニクル 4』……反逆者の来歴、カインと吸血鬼、彼の嫌悪の意味

 3巻から少し間があいて、5か月ぶりの4巻となった『白暮のクロニクル』。その辺の事情は巻末のおまけ漫画に詳しく描かれていますが(いやまあ、ゆうき氏まさかのBL漫画漫画(誤記にあらず)『でぃす×こみ』との同時進行のせいなんですが)、まあそれはそれとして。  今まで深く……

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第192夜 その“ヘンなの”と過ごした日々を忘れない…『のらみみ』

「やっぱりアレですか。/居候するならドジでメガネでひとりっ子の男の子ですか?」「そりゃあもちろん。/キャラならみんなが憧れる環境じゃないですかね。」「僕、ひとりっ子とドジっていうのはなんとなくわかるんですけど、/メガネの理由がわかんないんですよね。」「さあ…おいらにも説明はできな……

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【一会】『3月のライオン 10』……今ばかりは、“読み”は不要だ

 17歳の少年プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)と、彼が独り暮らしをしている「六月町」(東京月島あたりがモデルと思われる)の対岸「三月町」に住むあかり・ひなた・モモの川本家3姉妹との交流を中心に、それぞれの家族の事情とか、個性的なプロ棋士たちの描写が興味深い本作『3月のラ……

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第191夜 逆巻く風雪は、ふたりのために…『千年万年りんごの子』

「留まる力と/変わる力/それでも/すべてのものは無慈悲に終わる/小さな切欠によって/朝日/君だけが確かだ」 『千年万年りんごの子』田中相 作、講談社『ITAN』掲載(2011年12月~2014年2月)  1970(昭和45)年。一組の夫婦が誕生した。  東京の大……

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第187夜 勤労少女たちが隠し持つ寸鉄は、人を刺すか…『かなめも』

 2014/10/03  100夜100漫, ,

「このたくさんの新聞あまってるんですか?/これ押し…」「わ――――/わ――――/わ――――/わ――――!!!」「…花作るのに何部かいただいていいですか?」「いいわよ」「あれ? ひなたさんどうかしたんですか? 『かなめも』石見翔子 作、芳文社『まんがタイムきららMAX……

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第186夜 善悪の彼岸すら超えて、貫け…『ジキルとハイドと裁判員』

「正義とはルール。悪とはルールを犯すこと。そうダロ?/だとしたら――/お前も悪ダナ。/適正な手続きで判決を下すルールを、犯した。」「……/は…はは…何言ってんだ、僕が悪だなんて…/ルールが正義とか、世の中ってそんな単純なもんじゃないよ。」「…………」「僕が悪だって…?/そんな…/……

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【一会】『銀の匙 Silver Spoon 12』……それが怖くないって凄いことだよ

 遅くなりましたが『銀の匙 Silver Spoon』12巻を読了したので書き留めておきます。  まさかのハチ(八軒)の下宿爆発からスタートの12巻。てっきり下宿を追い出されるかと思いきや、そこは大丈夫だった様子。  それはともかくとして、今巻では各人の視点がザッピン……

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