100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

*

「 日別アーカイブ:2014年03月13日 」 一覧

第159夜 ともあれ、二人、生きていくのだ…『娚(おとこ)の一生』

「……私は……昔…」「もうええわ/君の過去のなんのは/つまらん/幸せの話をすると君は下を向くんや/過去には戻れへんのに/どうして目の前のぼくを見いひんのや?」


娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

娚の一生西炯子 作、小学館『月刊フラワーズ』→『フラワーズ増刊 凛花』(スピンオフ)掲載(2008年7月~2012年6月)

 東京の大手電機メーカー、四つ葉電機で原子力事業部プロジェクト管理課の課長を勤める堂薗つぐみ(どうぞの・−−)は、30代も半ばを迎えた独りもの。初めて取得した長期休暇を田舎の角島(かどしま)県鶴水市にある祖母の家で過ごしていたが、入院していた祖母、下屋敷十和(しもやしき・とわ)は間もなく他界。葬儀が営まれることとなる。
 その翌日、葬儀を終えて弛緩したつぐみの目の前に、見知らぬ壮年の男性が現れた。下屋敷の家の離れに居付き、我が家のように振る舞う男に困惑するつぐみ。
 50代前半、関西弁を話し、東京の女子大の教授として哲学を教えていたと自己紹介する彼の名は海江田醇(かいえだ・じゅん)。エッセイ執筆や講演もこなす著名人にして、かつて大学で教鞭を取っていた祖母の元教え子だという。
 祖母から離れの鍵をもらっていたと語る彼と、祖母の間には一体何があったのか。肝心なところを語らず、しばらく友人の代打で角島大学で教えるという海江田と、つぐみの行き掛かり上の同居生活が始まるのだった。
 休暇は終わるも、つぐみは仕事を在宅勤務に切り替え、温泉の湧く鶴水に地熱発電のプロジェクトをぶち上げつつ、そのまま祖母の家で暮らすことにする。そんなつぐみに群がる田舎の男たち、置き去りにされた親戚の子ども、海江田の秘書で学長の御令嬢、西園寺真保(さいおんじ・まほ)も登場し、田舎の事情と仕事と、揺れる女心の日々は続く。

(さらに…)

広告

広告

広告

広告