漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 人生 」 一覧

【一会】『いぬやしき 1』……最終兵器っぽくなった初老の男性の行く先は?

いぬやしき(1)

 気が付けば『GANTZ』の終了からはや1年近くが過ぎた先月下旬に、奥浩哉先生の新作である本巻が刊行となりました。
 事前情報ではお爺さんが主人公ということだけが明かされていたので、前作から一転して日常を描いたものになるのかなー、と何となく思っておりましたが、冒頭こそそんな匂いを出しつつも、やはりハードなことになってます。最初に抱いた印象としては、やはり高橋しん『最終兵器彼女』なのですが、あれはやはり、ちせが可憐な女子高生だからこそ生じる壮絶さや辛さや癒される感じがあったんだろうと、いま思い返すと感じます。
 そこへ行くと、この漫画の主人公は犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)というお爺さん(御年58歳ですからそう表現して差し支えないんですが、子どもたちがまだ家にいるので厳密にはお父さんですね…)です。家族や世の中に対して不満は色々ありますが、もはや老い先短いですし、諦めの境地に至っていても不思議はない状況と云えるでしょう。
 そんな人が突然いままでの人間ではなくなってしまったことへの戸惑いと、陰惨な暴力を己の力でねじ伏せた先にやってきた感情の奔流。その辺りが今巻のハイライトじゃないかなと思います。

(さらに…)

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第176夜 夢現と血まみれの刃の向こう、優しさの咲く…『竹光侍

「要するに、今の某(それがし)に刀は無用。」「大事な子を一人忘れておいでだよ、お前様」「ん……/見慣れぬ子だな……」「覗いてごらんな、ふふふふふ…」 『竹光侍』永福一成 原作、松本大洋 作、小学館『ビッグコミックスピリッツ』掲載(2006年8月~2010年3月) ……

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【一会】『月影ベイベ 3』……大人の感傷と若者の幻滅

 1巻以来、楽しみに読んでいますが、ここで言及するのは初めてです。現状では月影にもbabyにもあまり関係がありませんが、それは作者の前作『坂道のアポロン』(100夜100漫第138夜)でもそうで、それでも全編語られ終わった時にはほんのりと意味が薫るという名付けられ方なので……

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第170夜 千々に乱れる世界にその死を想え…『さよならもいわずに

「昨日現像に出した写真を取りに行く/いつもの道/いつもの駅前/何故……/一体 何故/何故キホが!?/何故 あなたではなく………」 『さよならもいわずに』上野顕太郎 作、エンターブレイン『月刊コミックビーム』掲載(2009年7月~2010年4月)  「ヒマだからな!……

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第167夜 誰もが旅人で、だから帰る処が必要だ…『ホテルポパン

「客室は10/でも1日に予約をいれるのは8組まで/夫婦かカップル/女性同士のみ/そんなんでもやっていけた時代の話だ」 『ホテルポパン』有間しのぶ作、竹書房『まんがくらぶ』掲載2003年12月~2008年11月)+書き下ろし  スキー客すら寄り付かない山奥に建つ小さ……

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第166夜 ひと皿ひと皿に込められた、“本当の私”…『寿司ガール

「寿司ごときに私の生き方が変えられるなんて/認めたくないけどね!!」 『寿司ガール』安田弘之 作、新潮社『月刊コミック@バンチ』掲載(2011年1月~2012年5月)  深夜の回転寿司で、ふと入った寿司屋で、行きつけの店のカウンターで。それぞれの人生を抱えつつも、……

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第164夜 10代は背伸びし、20代は首をすくめる…『たまりば

「なんでハルオもまたアイス買ってんの?/さっき食べたじゃん」「オトナは1日にアイス2本食べてもいいんだよ」「いいなぁ〜/オトナ……」「そうでもねーよ」 『たまりば』しおやてるこ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2008年10月~2012年2月)  「……

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第163夜 菌と人間、遠いけれども楽しい学びの道…『もやしもん

「この学校はスゴいよ/いろんな人がいろんな意志で支えあってみんなで遊んでるんだね」 『もやしもん』石川雅之 作、講談社『イブニング』→同『月刊モーニングtwo』掲載(2004年7月~2014年1月)  この春、晴れて東京の某農業大学(これが正式名称)に入学した沢木……

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第162夜 憎しみと受容と愛をもって全天を仰げ…『ほしにねがいを

「私達みんなひとつだったんです」「あ! もしかして……ビッグバンの前の事?」「今もひとつです/私達みんな違うけどひとつ−−/ここの宇宙もその他の宇宙も/草木も虫も/鳥も魚も海も土も/マグマも時間も/空間も暗黒も/私も輝くんも/有るのはみんなひとつ−−/ただ/それを言葉で分けている……

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第159夜 ともあれ、二人、生きていくのだ…『娚(おとこ)の一生

「……私は……昔…」「もうええわ/君の過去のなんのは/つまらん/幸せの話をすると君は下を向くんや/過去には戻れへんのに/どうして目の前のぼくを見いひんのや?」 『娚の一生』西炯子 作、小学館『月刊フラワーズ』→『フラワーズ増刊 凛花』(スピンオフ)掲載(2008年7……

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