漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 仕事 」 一覧

【一会】『孤独のグルメ 2』……18年ぶり。無邪気さと、変わらぬ自由さ

孤独のグルメ2

 個人で輸入雑貨を商う井之頭五郎(いのがしら・ごろう)が、主に都内の街で見知らぬ飲食店に入り、そこでの食事や湧き起こってくる想念を淡々と描き流す食事漫画『孤独のグルメ』(100夜100漫第63夜)。その第2巻が、実に18年の歳月を経て刊行されました。1996年までの連載で一区切りとなり単行本1冊にまとめられていましたが、その後も2008年ごろから散発的にエピソードが発表されており、いわばその“第2期”にあたるエピソードを集めたものが第2巻と云えそうです。
 1巻最後のエピソードと今巻最初のものとの間には12年の隔たりがあることになりますが、五郎さんは相変わらずスーツ姿であちこち駆け巡って仕事をしており、さして歳をとった様子はない様子。独りで食事をするスタンスも変わりなく、1巻から通読しても大きな違和感を覚えることはないでしょう。

(さらに…)

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【一会】『黒博物館 ゴーストアンドレディ 上下』……意思を貫く戦いと、絶望を望んで希望を成すということ

 「100夜100漫」カテゴリにしようか迷いましたが、シリーズとしては続きがありそうなので「一会」にて書くことにします。藤田和日郎先生の新刊(といっても刊行からだいぶ経ってしまいましたが)『黒博物館 ゴーストアンドレディ』です。 あらすじ  大英帝国で捜査されたす……

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【一会】『銀の匙 Silver Spoon 13』……部活引退。そして彼が動き出す

 進学校の私立中学から受験に失敗し逃げるように農業高校に進学した八軒勇吾(はちけん・ゆうご)とエゾノー生たちの農業&畜産青春グラフィティ『銀の匙 Silver Spoon』。遅くなりましたが新刊の13巻を読了しましたので書かせて頂きます。  前巻後半から作中の時間の……

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【一会】『アルテ 3』……難仕事の顛末は、よく寝、よく食べ、よく鼻血

 ここでは初めて言及する漫画ですが、第3巻が先日発刊されたので触れたいと思います。  盛期から後期ルネサンスへと移りつつある16世紀初頭のフィレンツェを舞台に、貴族の少女でありながら“自分自身の力で生きる道”を目指し、偏屈な画家のおしかけ弟子となったアルテ。そんな彼……

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【一会】『まるせい 3(完)』……それぞれの道、そしてStand by Meの結末は

 成年漫画(いわゆるエロ漫画)にかける作者の分身、花比野Q一朗(はなびの・キューいちろう)こと日比野龍一朗(ひびの・りゅういちろう)の、仕事関係の女性と深い仲になっても彼女はできない哀感と、一方で漫画執筆にかける熱い姿を描いたこの漫画。自分としては何となく、エロ漫画編集者……

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【一会】『白暮のクロニクル 5』……研修のち悪意不在の罪、ときどきラブコメ

 吸血嗜好と長命性を持った“オキナガ”がいる世界を舞台に、厚生労働省夜間衛生管理課(通称やえいかん)の新人、伏木あかり(ふせぎ・――)と、古参の“オキナガ”雪村魁(ゆきむら・かい)を中心に描かれる、ファンタジック社会派公務員ミステリ(?)なこの漫画、予告通り4月末の5巻刊……

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第201夜 槌音が背を押す、それぞれの決意…『誰がために鋼は鳴る

「ケンちゃんさんの打つ音は/とてもキレイです/私 あの音を聞くと/がんばれるって思えるんです」「  そっか……」 『誰がために鋼は鳴る』天乃タカ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2009年2月~2010年6月)  神戸の北西、山裾に広がる三木市は打刃……

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第199夜 決意も、後悔も、伝えなくちゃいけない…『花もて語れ

「朗読にとって大事なのは聴き手の人数じゃない。/たとえ聴き手がたったひとりでも、それは読み手にとって大切な大切なお客さんだ。/舞台は、別に本物の舞台でなくたって構わない。/聴き手は友達だっていい。家族だっていい。/本当に聴いてほしかったら、舞台は他人に用意してもらうものじゃなく、……

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【一会】『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 2』……高線量、重要現場に冴える職人技

 昨年5月発刊の1巻から、8か月ちょっと空いて2巻の刊行となりました、『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』。作者の竜田先生が現地に働きに行く期間があるので、これくらいの刊行ペースになるのは当然といえば当然でしょう。  原発作業の様子が入り組んだ時系列で語られ……

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第196夜 世界を憂う躁状態に、笑って唖然…『エクセル・サーガ

「出たな権力の手先!」「……いいけどよ」「ええと!/とりあえず名を名乗れっ」「個人情報は答えられないわ/市役所の方から来た者よ」「ほんに胡散臭いな/わしら」 『エクセル・サーガ』六道神士 作、少年画報社『ヤングキング アワーズ』掲載(1996年6月~2011年7月)……

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