【一会】『七つの大罪 12』……絶大なり、漆黒の力 | 漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

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【一会】『七つの大罪 12』……絶大なり、漆黒の力

      2014/12/24

七つの大罪(12) (講談社コミックス)

 アニメの人気が盛り上がっていますが、漫画本編の物語も一つのクライマックスと思われる『七つの大罪』、前巻から2か月おいての刊行。ちなみに限定版には、全キャラ誕生日付き2015年日めくりカレンダーが付いています。
 今巻は、バンとメリオダスによる“大罪”同士の闘いに始まり、エリザベスを連れ去った上、更なる魔神の力を得たヘルブラムと〈七つの大罪〉(2人欠け)、聖騎士たちの闘いに終わります。全編闘いの記録ということになるでしょう。

 前巻ラストから嫌な予感はしていたんですが、その予感通り、バンはメリオダスを攻撃し始め、メリオダスも応戦します。バンは刀剣の刃そのものを三節棍にしたような武器を用い、往年のカンフースターのよう。過去作品の『Ultra red』などから分かるように、作者はかなりのカンフー好きですし、バンのような痩せぎすな体格に、こういう動きはマッチしてると思います。
 お互いに譲れないもののための戦いは、それでも長い付き合い同士。烈しくも互いを尊重する不思議な空気に満ちています。

 一方、魔神の血の暴走により、怪物と化した「新世代」の聖騎士たちによって「まるで地獄」の様相を呈しているリオネス王国内。暴走する聖騎士ジェリコ、ヘンドリクセンによって三度よみがえったヘルブラムたちが、〈七つの大罪〉の面々、そして残った聖騎士たちと激突します。
 ジェリコもヘンドリクセンも、攻撃は本人の意思でないながら、彼らを倒さなければ民衆が危険にさらされてしまう。辛い戦いですが、それでも、より大切なもののために力を振るわなければならないのが、〈七つの大罪〉として、あるいは聖騎士として、「為すべきことを為す」ということでしょう。

 そして真打ち。魔神の力を我が物としたヘルブラムと、聖騎士長ドレファスとその息子グリアモールによる1対2で戦いは始まります。やがて〈七つの大罪〉、聖騎士の面々との直接対決に至るものの、ヘルブラムの見つけた「赤き魔神」、そして「灰色の魔神」の力は絶大。特に後者による「黒」の字を冠する魔力の数々は相対する者たちに絶望を突きつけます。
 今巻で最も印象的だったのは、この「黒」の魔力の描写。漫画は白黒なので黒は赤や青を兼任しますが、ここでの黒は見事に漆黒です。155ページ上段は初見時に寒気が走りました。

 ついに万策尽き果てた彼らに代わり、ヘルブラムの前に立ちはだかったのは、まさかのあのキャラクター。巻末の番外編「相棒」での描写も意味深です。
 その他にも、前巻でドレファスを連行したはずのハウザーに起きたこととか、生きていたエリザベスの義姉ベロニカの云う「エリーは特別な存在」という言葉の意味など、大小さまざまな謎を残し、物語は続きます。

 次巻13巻は2015年2月17日刊行予定。今巻と同様、特製グッズ付限定版も発売される模様です。魔神の力に慄きつつ、待ちましょう。

 - 一画一会, 随意散漫 , , ,

 

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