100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

*

「 風刺 」 一覧

【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 2』……ネタと時間移動の振幅

せっかち伯爵と時間どろぼう(2) (少年マガジンコミックス)

 最近、当ブログへやってくる方の検索ワードでとみに増えている『せっかち伯爵と時間どろぼう』の2巻が刊行となりました。
 「※ギャグ漫画です。」という帯が逆に意味深に思えたりもしますが、2巻の内容としてはその通りかと思います。この漫画に限らず、1巻は物語の導入として、どうしても作品の前提とか根幹に関する部分を描かなくてはならないので若干ノリが異なるということはあると思います。ということは、今回もやはり、今巻のような雰囲気で最終話周辺までいく、ということでしょうか? まあ、そんな予測ばかりでも不毛ですね。内容がばれない範囲で、今回目についたネタを列挙致しましょう。
 まず単純に「巧いなー」と思ったのが「七つの○○○○(バレバレですが敢えて伏せ字)」「アロマ線香とヒーリングCD」「食品型・打撃型」。次に切れ味がよかった下ネタ系として「顔で/手錠で隠せばいい」「女子は激太り男子は激やせ/男女とも腱鞘炎」。勉強になったのが「明治の改暦」。思わず「大丈夫?」と心配になったのが「上兄さん」「ゴーストライター」「フリー節句」(のエピソードでの描き込み方)、ってところでしょうか。奥歯に物が挟まった感じの書き方でいまいち伝わらず恐縮です…。

(さらに…)

広告

広告
thumbnail

第161夜 ネタの嵐がもたらす奇妙な詩情…『平成義民伝説 代表人』

「魚権(ウォーケン)は自分に誓った/イガラシのために命をかけて「シャクレル」と/そして/イノキとイノチは/ちょっと似ている/と思った」 『平成義民伝説 代表人』木多康昭 作、講談社『週刊少年マガジン』掲載(2002年2月~同5月)  国民的男性アイドルユニットIG……

thumbnail

【一会】『魔法陣グルグル2 2』……魔王とグルグルと、大人になるということ

 例によって少し経ってしまいましたが、これは書かねばなりますまい。  一度は世界を救っちゃった(100夜100漫第28夜)勇者ニケとグルグル使いククリの、二度目のへっぽこ冒険道中を描く『魔方陣グルグル2』も2巻目。前作から登場し、前巻終盤でまさかのパーティー入りを果たし……

thumbnail

【一会】『せっかち伯爵と時間どろぼう 1』……変わらぬ安定感と、既にある不穏

 帯には「待望した!」と大書されている、『さよなら絶望先生』(100夜100漫第36夜)で知られた久米田康治先生の最新作『せっかち伯爵と時間どろぼう』の1巻を読みましたので、思うところを書きとめようと思います。  先に作風の話をすると、「不労腐死」とか「9金以下の純度の……

thumbnail

第147夜 ぐちゃぐちゃな、自意識と外界の間で…『空が灰色だから』

「物心も付いてない頃/家族で出かけた遠い町 太陽光を浴び黄金色に燃えていた麦畑に今度は私が連れていくから/火が鎮まるまでお話しよう/その後は一緒に流れ星を探そう/古旅館の頼りない窓を優しく開けてせーので見上げた夜空には/星なんてひとつもなくて」 『空が灰色だから』阿……

thumbnail

第136夜 エイリアンたちと、黒く楽しく異文化交流…『レベルE』

「現在 地球には数百種類の異星人が飛来している/気づいていないのは地球人だけなのだ/彼らの目的は様々で 国家レベルの策略から個人レベルの研究・犯罪まで多岐にわたる/なかには/何のために地球に来たか忘れてしまった奴も いるだろう」 『レベルE』富樫義博 作、集英社『週……

thumbnail

第132夜 謎と人を愛す、食いしん坊ふたり…『魔人探偵脳噛ネウロ』

「…………ねぇネウロ」「何だ」「難しいね/人間って」「フハハハハ/何を突然我が輩のようなセリフを」 『魔人探偵脳噛ネウロ』松井優征 作、集英社『週刊少年ジャンプ』掲載(2005年2月~2009年4月)  女子高生、桂木弥子(かつらぎ・やこ)の日常は突如壊された。父……

thumbnail

第128夜 流れる涙は、狂おしい郷愁のゆえか…『地球(テラ)へ…』

 2013/12/06  100夜100漫, , ,

「みんな聞け/ミュウは弱い!/傷つくとショックを受け/仲間たちの死に気をとられる/だがこれは戦闘だ!!/勝つことだけを考えろ!!/我々はただひとつのことだけを考えるんだ!/この戦いに勝って地球(テラ)へ…/地球へ行くと!」 『地球へ…』竹宮恵子 作、朝日ソノラマ『月……

thumbnail

第124夜 ○コ塗れでも潰えない、上流階級の心意気…『有閑倶楽部』

「10億だ!!/いいか最低10億とらなきゃ家に帰るぞ/そんなはした金/ばかばかしくってつきあってられるか!!」 『有閑倶楽部』一条ゆかり 作、集英社『りぼんオリジナル』→『りぼん』→『マーガレット』→『コーラス』掲載(1981年4月~2007年10月)  幼年部か……

thumbnail

第123夜 恋の皮を被った私(わたくし)と関わりの物語…『モテキ』

「あっ ちょい待ってて/あーうん/ごめんっちょっと待ってて/うっ またメール着信……/俺のキャパは一気に溢れかえった/これが/モテ期か!?/そんな/イキナリ!?/今 急に頂点なの!?」 『モテキ』久保ミツロウ 作、講談社『イブニング』掲載(2008年23号月~201……

広告

広告