100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

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「 不思議 」 一覧

第136夜 エイリアンたちと、黒く楽しく異文化交流…『レベルE』

「現在 地球には数百種類の異星人が飛来している/気づいていないのは地球人だけなのだ/彼らの目的は様々で 国家レベルの策略から個人レベルの研究・犯罪まで多岐にわたる/なかには/何のために地球に来たか忘れてしまった奴も いるだろう」


レベルE 1 (ジャンプ・コミックス)

レベルE富樫義博 作、集英社『週刊少年ジャンプ』掲載(1995年9月~1996年12月)

 補欠ながら中学野球で優勝経験もある筒井雪隆(つつい・ゆきたか)は、高校進学と同時に山形のマンションで一人暮らしを始める。しかし、訪れた彼の新居では既に勝手に生活している男がいた。記憶喪失の宇宙人だと云うその男と悶着の末、なんとなく同居し始める雪隆だが、その同居人をめぐって(というか同居人自身の厄介な性格の故に)騒動は巻き起こる。隣室に住み始めた雪隆の同級生の江戸川美歩(えどがわ・みほ)、人類側の宇宙人研究機関、同居人を探して飛来した護衛達、山形周辺を縄張りとした好戦的なディスクン星人などにより、事態は混迷していく――。
 雪隆たちと同じように、地球人類の中にこっそりと入り込んだ異星人たちと、幸か不幸かそのことに気づいてしまった人間たちの接触は続く。時にシビアに、時に優しく、彼方からの来訪者たちによって、地球はゆっくりと新しい時代を迎えていく。

(さらに…)

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第127夜 奇想に重ねた、直球ど真ん中な成長ロマン…『美鳥の日々』

「い…いや、違う!/何でオレの右手が女になってんだ!?/てゆーか、お前、何でオレのこと知ってんだよ!!!」「あ、あの…/それは…つまり、その…/私、ずっとずっと/か…片思いしてたんです。/セイジ君の事ッ!!」 『美鳥の日々』井上和郎 作、小学館『週刊少年サンデー』掲……

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第114夜 決して相容れず、けれどもかけがえのないもの達…『蟲師』

「蟲……?」「ああ/陰より生まれ/陰と陽の境にたむろするモノ共のことだ/それが見える者は少ないが/この世界の隅々にまで/それはいる」 『蟲師』漆原友紀 作、講談社『アフタヌーンシーズン増刊』→『月刊アフタヌーン』掲載(1999年1月(読切)~2008年8月)  蟲……

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第106夜 湯を介し、癒しで繋がる彼方と此方…『テルマエ・ロマエ』

「浴場の中で心安らげるかどうかは/共に浸っている人間にかかる部分が大きい…/湯に対して全身全霊を捧げる平たい顔族は/一緒に風呂に入るのに最高の人種ではないか!?」 『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ 作、エンターブレイン『月刊コミックビーム』掲載(2008年1月~20……

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第102夜 脱力オチが、疲れた心にじわりと効く…『しょんぼり温泉』

「また来てねー」 『しょんぼり温泉』小田扉 作、集英社『ジャンプスクエア』掲載(2009年11月~2012年1月)  諸堀(もろほり)温泉は、かつてはドラマのロケ地になったものの、特に目玉となる観光スポットもなく、ガイドマップは20年前に作られたきりという寂れた温……

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第94夜 陰惨な謎に挑むのは1人?2人?…『人形草子あやつり左近』

「人形遣いは人間遣い/腹話術は読心術/真似るのは声色だけでなく内なる声」 『人形草子あやつり左近』写楽麿 原作、小畑健 漫画、集英社『週刊少年ジャンプ増刊』→『週刊少年ジャンプ』掲載(1995年4月[読切掲載]~1996年4月)  引っ込み思案で気弱な性格の橘左近……

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第91夜 鈍く終局する世界を見て歩くもの…『ヨコハマ買い出し紀行』

「この数年で世の中も随分変わったわ/時代の黄昏が/こんなにゆったり来るものだったなんて/私は多分/この黄昏の世をずっと見ていくんだと思う/私には/時間はいくらでもあるからね」 『ヨコハマ買い出し紀行』芦奈野ひとし 作、講談社『月刊アフタヌーン』掲載(1994年4月[……

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第79夜 貧乏とUFOと…『NieA_7(ニア アンダーセブン)』

 2013/07/22  100夜100漫, , ,

「人はパンのみにて生くるにあらず?」「疑問形かよ!!/パン買えない人が言うな!!」 『NieA_7(ニア アンダーセブン)』安倍吉俊+g(ジェロニモ本郷)k(糞先生) 作、角川書店『月刊エースネクスト』掲載(1999年9月~2000年12月)  大学受験に失敗した……

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第77夜 身近な道具が描く、愛しき日本の神々…『ぼおるぺん古事記』

「玉のついた矛が国生みを助けたように/玉のついたペンがこの作品を導いてくれるはずだ」 『ぼおるぺん古事記』こうの史代 作、平凡社サイト『ウェブ平凡』掲載(2011年5月~2012年12月)  まだあめつちが分かれぬ時、幾柱かの神が現れては隠れた。やがて現れた二柱の……

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第72夜 猫による夏宵の永遠軌道…『銀河鉄道の夜-最終形・初期形』

「カムパネルラ また僕たち二人きりになったねえ/どこまでもどこまでも一緒に行こう」 『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 原作、ますむらひろし 作、朝日ソノラマ(最終形1983年10月、初期形1985年8月)  学校へ通うジョバンニは、漁に出て消息が分からない父と、病気で臥せ……

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