「気がつくと/まわりはみんな/そわそわ わくわく/あの人がすき この人がすき/毎日ドキドキきらめいて 14歳――――そうね/憧れ とか/恋 とか/片思い………とか/そんなことばが/いつのまにか もう/似合うときになったんだな」 『星の瞳のシルエット』柊あおい 作、集……
「 星空 」 一覧
第162夜 憎しみと受容と愛をもって全天を仰げ…『ほしにねがいを』
「私達みんなひとつだったんです」「あ! もしかして……ビッグバンの前の事?」「今もひとつです/私達みんな違うけどひとつ−−/ここの宇宙もその他の宇宙も/草木も虫も/鳥も魚も海も土も/マグマも時間も/空間も暗黒も/私も輝くんも/有るのはみんなひとつ−−/ただ/それを言葉で分けているだけなんです!」
『ほしにねがいを』中川貴賀 作、講談社『アフタヌーン』掲載(2013年2月~同年5月)
無差別殺傷犯、叶(かのう)の起こした事件によって父を亡くし、癌で母も亡くした双子の兄妹、藤木輝(ふじき・ひかる)と香夜(かぐや)。高校2年生の夏休み、2人は父方の祖父オキナに呼ばれ、その家でひと夏を過ごすこととなる。
そんな2人を迎えに来たのは、自らを「田中くん」と呼称する不思議な青年。彼の奇妙な言動に半ば閉口しながら、2人はオキナの家へ向かうのだった。
オキナが2人を呼んだのは、1200年ぶりに発生する“ある天文的現象”と、それに先駆けて“星を人に変える”仕事を2人にさせるためだ。地球に落下してきた「落ちたてほやほや」の隕石の「情熱」を人に変える。それは、古今東西の多くの星追い人が行なってきた仕事。星は、自分を人にした者の“願い事”をひとつだけ叶えてくれるのだという。
自ら名前をつけた星たちと、双子と祖父との共同生活が始まる。それは、2人の願い事を探す日々、そして同時に、命の広がり、宇宙の繋がりを感じ取る日々でもあった。
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第89夜 少しの不安は、田舎の夜空に溶けてゆけ…『きんぎんすなご』
「あんなに いっぱい/あるんだからさ/あした 見つからなくても あさって/でなけりゃ そのさき/見つけたいと思っていれば かならず 見つかるよ/星は なくならないから」 『きんぎんすなご』わかつきめぐみ 作、白泉社『月刊少女フレンド』、『別冊フレンド増刊 ザ フレン……
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第72夜 猫による夏宵の永遠軌道…『銀河鉄道の夜-最終形・初期形』
「カムパネルラ また僕たち二人きりになったねえ/どこまでもどこまでも一緒に行こう」 『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 原作、ますむらひろし 作、朝日ソノラマ(最終形1983年10月、初期形1985年8月) 学校へ通うジョバンニは、漁に出て消息が分からない父と、病気で臥せ……
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第62夜 彼方に挑む者達と、一切をただ抱擁する者達…『プラネテス』
「そのオッサンはな/地球(おか)の上で満足できる人じゃねェんだよ/オレにはわかる」「独りで生きて/死んで/なんで満足できるんですか/バカみたいよ/宇宙は独りじゃ広すぎるのに」 『プラネテス』幸村誠 作、講談社『モーニング』掲載(1999年1月~2004年1月) ……
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第54夜 星空を仰ぐ何人にも、女神の誘いは降る…『星世界たんけん』
「星は何千万年何百億年っていう長ーい一生だけど/人間や犬、植物と同じ――/せいいっぱい生きて新しい生命のたねを飛ばして死んでいく――/それをくりかえす生命そのものはずっと続くのよ」「ずっと?」「そう/ずっと――」 『星世界たんけん』加賀谷穣 作・画、山岡均 監修、星……