【一会】『七つの大罪 7』……ひねくれ者の仲間思い
2018/07/20
書こう書こうと思っていながら遅くなってしまいましたが、最近の人気作でもあるし、『七つの大罪』の新刊7巻について、ちょっと思った事を書こうと思います。
メリオダスの暴走と例の欠けた剣の喪失(黒目がちな無表情が恐ろしい!)、そんな彼を痛めつけた相手へのディアンヌの怒りと神器(ギデオン)の威力、聖騎士側のパワーバランスの傾斜に、色欲の罪(ゴート・シン)ゴウセルの登場と、幾つもの要素が組み込まれている今巻でしたが、自分としては、個々の団員たちの関係性が深掘りされていたのが心に残りました。
特にバン。激化する戦いからエリザベスたちを逃がすため、彼女らを担いで走るなど、日頃の傍若無人さからは一味違う気遣いを見せます。
それに、やはりキングとのやり取りが大きいですよね。今巻の肝はここにあったと云っても過言じゃないかもしれません。
キングの妹エレインを巡っての事情のために、微妙な関係にある2人。それでも、変貌し暴走した団長を目の当たりにして、少し思うところがあったのかもしれません。いつも自分のためだけに生きている(ように見せかけている)バンが、「一刻も早く王国を取り戻してぇ」と云うと、マイペースなキングも満更でない様子。加えて、バンが過ごしてきた永年の孤独と、そこから解放してくれた者としてのメリオダスという救いについても吐露されます。
なんていうか、現実でも、この2人みたいな関係性を築いている人たちって、結構いると思います。決して「仲が良い」なんて形容はされず、憎まれ口を叩き合いケンカしながらも何故かコンビでいるという。それは多分、ケンカというコミュニケーションが、実は本心の見せあいに近いからじゃないかなーと思います。
まだ全員集まってはいませんが、団長のメリオダス以下「七つの大罪」団員たちは、どうも本心を見せるのが得意じゃないというか好きじゃないというか、そういう印象を受けます(ディアンヌのメリオダスへの気持ちは例外かもしれませんが)。そんな中で、この2人は割と“本当のこと”を云いあってる気がして、だから2人が絡むシーンは貴重だな、と。
あくまで勘なのですが、この2人の関係はこのままではなく、途中にまだ波乱がありそうな気がしています。が、そこから再び和解することがあれば、その時こそ2人が本当のコンビになる時ではないでしょうか。
マジメ系お騒がせなゴウセルが登場して5人になった団員ですが、この調子で行けば、全員が揃い決戦の時が来るのもそう遠くないのかもしれません。その時、また悪態をつきあいながらもコンビで活躍する2人が見れることを楽しみにしています。