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第188夜 独りで穏やかに生きていける、つもりだった…『ヒミズ』
「ねぇ・・・・何かないの? ・・・・有名になりたいとか/お金持ちになりたいとか・・・・若者らしいフレッシュなヤツは」「ないね」「オレはモグラのようにひっそりと暮らすんだ・・・・・・・・」

『ヒミズ』古谷実 作、講談社『ヤングマガジン』掲載(2001年1月~2002年3月)
ろくでなしの父親は蒸発し、母親と2人で川沿いの貸ボート屋を営んで暮らす中学3年生の住田(すみだ)のモットーは「普通最高」。漫画家になりたいと夢を語る赤田健一(あかだ・けんいち)や小野田きいち(おのだ・きいち)を、バカにしたり凄いと思ったりしつつ、自分は誰にも迷惑をかけず、誰にも迷惑をかえられたくないと念じている。
親友だがスリの常習犯の夜野正造(よるの・しょうぞう)や、図らずも話すようになったクラスメイトの茶沢景子(ちゃざわ・けいこ)とのローテンションな住田の日常は、しかし、ふとした切っ掛けで少しずつ「特別」になっていく。
取り返しのつかない罪を犯した住田は、ついに「普通」の人生を諦め、夜の街を彷徨う。もはや「オマケ人生」を生きる彼の考えることは1つ。
「社会のために悪い奴を殺す」。
救い難い世界の只中で、荒んだ住田の心はどこに至ろうとするのか。景子が差し伸べる手は、届くか。
