漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

*

「 能力 」 一覧

第200夜 かつての罪と命の重さ、抱えてなお歩け…『鋼の錬金術師

「目に見えない大きな流れ――/それを「世界」と言うのか「宇宙」と言うのかわかんないけど/オレもアルもその大きい流れの中のほんの小さなひとつ/全の中の一/だけどその一が集まって全が存在する/この世は想像もつかない大きな法則に従って流れている/その流れを知り/分解して再構築する…/それが/錬金術」


鋼の錬金術師1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

『鋼の錬金術師』荒川弘 作、スクウェア・エニックス『月刊少年ガンガン』掲載(2001年7月~2010年6月)

 万物に働きかけ、その物質構造や形状を自在に作り変える“錬金術”が普及した世界。15歳としては小柄な少年エドワード・エルリックは、1歳年下の弟アルフォンスと共に軍事国家アメストリスの諸方を旅していた。
 兄弟の姿は、異形だった。欠けた右腕と左脚を鋼の義肢“機械鎧(オートメイル)”で補うエド。文字通り「身体全て」が機械鎧のアル。それは、かつて自分たちの亡母を取り戻そうと犯した禁忌による罰を受けた姿だった。
 自分を、何より弟を、もとの身体に戻したい。そのためにエドは「軍の狗」とされる国家錬金術師となり、錬金術の力を増幅し基本法則「等価交換の法則」を無視するという秘宝「賢者の石」を求め、旅を続けるのだった。
 大佐にして「焔の錬金術師」ロイ・マスタングら軍部の人間、幼馴染で機械鎧整備士のウィンリイ・ロックベル、兄弟の錬金術の師イズミ・カーティス、国家錬金術師ばかりを狙う連続殺人犯「傷の男(スカー)」、隣国シンより不老不死の法を求めてやってきた皇族リン・ヤオとメイ・チャン――。幾人もの人物と関わり、やがて兄弟は、「賢者の石」と、その周囲にうごめく人造人間(ホムンクルス)をめぐる、おぞましくも壮大な真実に辿り着く。
 絶望に埋め尽くされていくアメストリスに生きる人々の命運は。そしてエドたち兄弟の願いは叶うのか――。

(さらに…)

広告

広告
thumbnail

第197夜 孤独の夜を越えて、愛しい風よ吹け…『神風怪盗ジャンヌ

私は強い/だからひとりで大丈夫/だけど 「……っ」 だけどね/ほんとうは―――… 「ずっと“勇気がほしかった”…/逃げ出さずに朝を待つ勇気…/自分の心と向き合う勇気…/誰かを信じて頼れる勇気が/ほしかった…」 『神風怪盗ジャンヌ』種村有菜 作、集英社『りぼん』掲載(……

thumbnail

【一会】『コトノバドライブ 1』……全てが溶け合って見える瞬間

 前作『カブのイサキ』(100夜100漫第9夜)から幾ばくも空かず、芦名野ひとし氏の次作の単行本が刊行されました。その名も『コトノバドライブ』。  バイク、個人商店、缶コーヒーに自然現象と、作品に散りばめられた要素たちは、芦名野作品としては新しくはないかと思います。時代……

thumbnail

【一会】『ドリフターズ 4』……“武士”は、それと認めた相手の首をしか欲しがらない

 遅くなりましたが書きます。歴史上の英雄・豪傑たちがファンタジー世界で一堂に会し、地域も時代も越えて共闘あるいは対決するという、男子なら誰もが一度は妄想したことがあるだろうストーリーを、作者の前作(100夜100漫第39夜)同様の洋画チックな台詞回し&一線を超えたマッドネ……

thumbnail

第189夜 霊との日々、それが“少年”を了えさせる…『花田少年史

「いいからちんちんしまえよ/いい大人が・・・・!/おばけだからってナニしてもいいと思ったら大間違いだぞ!」「へへへ―――/おいちゃんは裸がいち~~ばん好きなの!」 『花田少年史』一色まこと 作、講談社『ミスターマガジン』掲載(1993年9月~1995年8月)、のち『……

thumbnail

第186夜 善悪の彼岸すら超えて、貫け…『ジキルとハイドと裁判員

「正義とはルール。悪とはルールを犯すこと。そうダロ?/だとしたら――/お前も悪ダナ。/適正な手続きで判決を下すルールを、犯した。」「……/は…はは…何言ってんだ、僕が悪だなんて…/ルールが正義とか、世の中ってそんな単純なもんじゃないよ。」「…………」「僕が悪だって…?/そんな…/……

thumbnail

第179夜 夜明けを呼ぶのは、異能ではなく決意…『黎明のアルカナ

「この力は奇跡なんかじゃないわ/だから私が/奇跡に変えてやるの」「私の命は/あなたのもの/ナカバ様の心のままに」「ありがとう/ロキ」 『黎明のアルカナ』藤間麗 作、小学館『Cheese!』掲載(2009年1月~2013年6月)  人と、半獣半人の種族、亜人が暮らす……

thumbnail

【一会】『おるたな 宇河弘樹短編集Ⅱ』……三味線と、硝子の靴と、ピー○君

 作者の代表作『朝霧の巫女』(100夜100漫第56夜)の外伝(というか自己パロディ?)が収録されている、というのが恐らく一番の話題であろう短編集が発売されました。「~短編集Ⅱ」とされているのは、2000年に出た『妖の寄る家』が短編集Ⅰに当たるためでしょう。  ……

thumbnail

第163夜 菌と人間、遠いけれども楽しい学びの道…『もやしもん

「この学校はスゴいよ/いろんな人がいろんな意志で支えあってみんなで遊んでるんだね」 『もやしもん』石川雅之 作、講談社『イブニング』→同『月刊モーニングtwo』掲載(2004年7月~2014年1月)  この春、晴れて東京の某農業大学(これが正式名称)に入学した沢木……

thumbnail

第154夜 状況の千変万化に踊らず信念を貫け…『絶園のテンペスト

「愛花が殺されたのは不合理だ/魔法も不合理だ/なら二つをぶつければ辻褄が合う/愛花を殺したやつを/この手で殺してやれる」 『絶園のテンペスト』城平京 原作、左有秀 構成、彩崎廉 作画、スクウェア・エニックス『月刊少年ガンガン』掲載(2009年7月~2013年3月) ……

広告

広告