漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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【探訪】魔法陣グルグル大原画展 ~衛藤ヒロユキの世界~…奇想の引き出しの奥底

 アニメに続編にと好調な、RPG的メルヘンファンタジーおやじ漫画『魔方陣グルグル』。何度も言及してきた漫画だが、先週11月10日(金)から、23日(木・祝)まで、『魔法陣グルグル大原画展 ~衛藤ヒロユキの世界~』が催されている(公式サイト)。12日の衛藤先生によるサイン会には参加できなかったけれど、見に行ってきた。一部アニメ関連の展示を除いて撮影が可能だったので、写真も織り交ぜて紹介しよう。

 入場券と、平日来場特典のイラストカード。特製缶バッジがもらえる入場券もある(22日まで各プレイガイドで予約)が、すっかり忘れていたので今回は当日券800円で。

 開催場所は、過去に『もやしもん×純潔のマリア原画展』(当該記事)や『羽海野チカの世界展』(当該記事)も行われていた西武池袋本店の別館2階(西武ギャラリー)。公式サイトでは「東京会場」として紹介されているので、そのうち地方でも開催されるのでは、と思う。

 エントランスには衛藤先生の「ごあいさつ」やシリーズの単行本表紙を一覧にしたものなどが。

 さらに衛藤先生の年表も。でもこの年表、事項のセレクトがかなり偏ってて、だいぶおかしい(誉め言葉)。

 入場。展示総数は200点以上とのこと。展示の傍らには、テープで作られた魔方陣があったりも。展示スタッフの方のアイディアかな?

 初代『グルグル』のカラーイラストの中でも特に好きな1枚を見られて感動。光の者ニケと闇の者ククリの対比が、宗教画のようでいい感じ。

 立体ものとしては、ねんどろいどのククリの展示もあった。頭身的にぴったりなこのククリは、来年5月発売予定とのこと。

 筆使いや印刷に関わる指定など、原稿の息づかいをしっかり見られるのが原画展の魅力。

 アニメ版のキャラクターを使った等身大(多分)ポップもあった。アニメ関連は撮影不可だったけれど、プロモーション映像や原画の展示があった。

 ライン状に凹凸のある紙に描かれたポスター用原画。背景は本格的な水彩画だったのが分かる。

 今はもうプレゼントになることもないテレフォンカードや、クリスマスカード用に描かれたイラスト。左上のキタキタ親父が輝いて見える。

 未発表のククリのイラスト。大正ロマンや寺山修司的なテイストを目指したものの、作品世界とちょっと違うということで使用されなかったらしい。

 こっちは少女漫画風グルグル。親父の違和感がすごいけど、他はアリと云えばアリかも。

 現在連載中の『グルグル2』の展示も幾つかあった。

 こちらは90年代に発表された『てくのこ☆きゅんきゅん』のイラスト。ノスタルジックな電子の世界は、ながく衛藤先生の興味の対象であり続けているんだと思う。

 公式イベントで「NICK-Q」としてDJもやっている衛藤先生だが、そっち方面の展示も幾つか。下段の大根は、たぶん『ドラクエ4コマ劇場』の「ふんどし」に由来するもの。

 『グルグル2』8巻にも描かれていた、デキルコのトランク。使用感があって空想が膨らむことしきり。

 あとがき漫画に登場する、衛藤家のネコたちの写真も。恐らく『グルグル2』に出てくるユンタとコパン。

 『グルグル』とはがらりと違う雰囲気のイラストには驚き。でも“三つ編みの少女”や“つり目の少年”など共通したモチーフも垣間見えて興味深い。

 この辺りはイラストというより絵画といった趣き。『ドラクエ4コマ劇場』で、かつては「ランボーなどを引用しつつ男女の恋愛を描く」(うろ覚え)的な漫画を描いていたと仰っていたと思うけど、その頃の作品だろうか。

 Roseraie et ouvrier ére…薔薇園と労働者の時代…かな?(100夜100漫はフランス語未履修者です)

 1時間半ほど見て退出。
 『グルグル』シリーズの原画が見られたのは勿論よかったけど、絵画的な作品や、寺山修司が好きだとかいった、衛藤先生の発想の引き出しを知ることができたことも大きかったと思う。衛藤作品を楽しむ取っ掛かりが増えたようで嬉しい。
 開催期間は今月23日の勤労感謝の日まで。昔からの読者もアニメからの人も、一見の価値はあるだろう。

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