漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 SF 」 一覧

第141夜 今は昔、天の月より下りし皇女、王道を示す…『月華美刃』

「国のため?/考えてるか/んなモン!!/私はそんな難しい事はよく分からん!!/だが/私は知ってる/母様が命をかけて守ろうとしてきた物が何なのかを知ってる/それを奪われるのは/たまらなく腹が立つのだ!!/それだけだ!!/悪いか!!」


月華美刃 1 (ジャンプコミックス)

月華美刃遠藤達哉 作、集英社『ジャンプスクエア』掲載(2010年5月~2012年1月)

 月面第一クレーターにおかれた皇都、迦護女都(かごめのみやこ)は繁栄を謳歌していた。都を統治するのは、銀后(ぎんごう)竹之内(たけのうち)フジヤ。銀后とは、皇室の守り神である銀大神(しろかねのおおかみ)の妃として、代々皇族から選出され継承されてきた皇位のことである。
 銀后フジヤの善政により都では平和な日々が続いていたが、元服を控えたフジヤの娘、カグヤは日課をサボっては城を脱走しようと家臣を困らせてばかり。皇女としての自分に疑問を抱く彼女だったが、フジヤが病に倒れたことを期に、次期銀后として自覚を持つ。
 だが、カグヤの“成女の儀”のさなか、突如テロが勃発する。先代銀后の家柄で、皇位の奪回をもくろむ分家、梅之内家の手引きによるクーデターが始まったのだ。
 病をおして娘を庇うフジヤの機転により、カグヤは皇位の象徴である神刀“巫暈支(ふつぬし)“を預けられ、単身で穢星(えぼし)−−地球へと降る。穢星はかつて流刑にされた月の者が暮らす未知の星。竹之内の者、梅之内の者、どちらでもない者と、幾つもの出会いと戦いを経て、カグヤは成長していく。生死不明の母との思い出と、空白となった皇位を狙う梅之宮の皇女イズミヤが残る、月へと還る時を待ち望みながら。

(さらに…)

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第139夜 陰鬱でも絶望ではない…『なるたる 骸なる星 珠たる子』

 2014/01/12  100夜100漫, ,

「あーーー図工ってキライ〜〜/あたしのこのあふれる夢を/こんなちっぽけな紙の上に描かせようなんて/絶対!!/ムリ!!」「じゃあその夢ってもんは/どれだけの大きさがあれば作れるんじゃろ」「  地球」 『なるたる 骸なる星 珠たる子』鬼頭莫宏 作、講談社『月刊アフタヌー……

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第136夜 エイリアンたちと、黒く楽しく異文化交流…『レベルE』

「現在 地球には数百種類の異星人が飛来している/気づいていないのは地球人だけなのだ/彼らの目的は様々で 国家レベルの策略から個人レベルの研究・犯罪まで多岐にわたる/なかには/何のために地球に来たか忘れてしまった奴も いるだろう」 『レベルE』富樫義博 作、集英社『週……

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第128夜 流れる涙は、狂おしい郷愁のゆえか…『地球(テラ)へ…』

 2013/12/06  100夜100漫, , ,

「みんな聞け/ミュウは弱い!/傷つくとショックを受け/仲間たちの死に気をとられる/だがこれは戦闘だ!!/勝つことだけを考えろ!!/我々はただひとつのことだけを考えるんだ!/この戦いに勝って地球(テラ)へ…/地球へ行くと!」 『地球へ…』竹宮恵子 作、朝日ソノラマ『月……

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第126夜 ≠アニメ、もう1つの“反逆”に熱くなれ…『スクライド』

「運命−−−−これほど反逆し甲斐のある相手もいねーーな/そう思うだろ? あんたも!!」 『スクライド』黒田洋介(スタジオオルフェ) シナリオ、戸田泰成 漫画、秋田書店『週刊少年チャンピオン』掲載(2001年6月~2002年4月)  21世紀初頭、神奈川県横浜を中心……

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第119夜 伝説の大和型4番艦、起つ!…『新海底軍艦 巨鋼のドラゴンフォース』

 2013/10/26  100夜100漫, , ,

「アネット拉致サルトノ報ニ接シ/海底軍艦ラ號ハ直チニ出動/コレヲ救出セントス/本日天気雨天ニシテ波高シ」 『新海底軍艦 巨鋼のドラゴンフォース』飯島ゆうすけ 作、角川書店『月刊少年エース』掲載(1995年9月~1996年11月号)  第二次世界大戦末期、各国は、……

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第117夜 地に澱む神代の穢れに抗うは、筋肉質な純情か…『天顕祭』

「木島/戻って来いよ/たった1年だけどよ/お前のいねェ足場はさみしいもンだ」 『天顕祭』白井弓子 作、同人誌発表(2006年2月~2007年8月)→サンクチュアリ出版より単行本  かつて、この国は「汚い戦争」を経験し、フカシとよばれる毒物に汚染された。そこかしこが……

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第115夜 江戸前の七兄弟、親を偲んで旅路かな…『虹色とうがらし』

「つまりなにか?/おれたちは一人の男があっちこっちの女に手をだして産ませた子どもってわけか?」「人ぎきが悪いな、それぞれみんな本気で愛しあった結果じゃ。/それが証拠に同じ年のやつは一人もおらん。」「ふざけるない!」 『虹色とうがらし』あだち充 作、小学館『週刊少年……

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第99夜 破滅に挑む、人の悲しみと儚さか…『百億の昼と千億の夜』

 2013/08/11  100夜100漫, , , ,

「神と戦うのか」「おお そうとも/わたしは相手がなに者であろうと戦ってやる/この わたしの住む世界を滅ぼそうとする者があるのなら/それが神であろうと戦ってやる!」 『百億の昼と千億の夜』光瀬龍 原作、萩尾望都 作、秋田書店『週刊少年チャンピオン』掲載(1977年7月……

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第95夜 野望を貫き、護ることこそが悪の流儀…『はじめてのあく』

「悪の組織が世界を獲ろうとする理由――わかるか来栖?」 『はじめてのあく』藤木俊 作、小学館『週刊少年サンデー』掲載(2009年1月~2012年5月)  神奈川県の藤沢で暮らす高校生、渡キョーコ(わたり・――)は、ある朝とつぜん体の自由を奪われる。従兄弟の阿久野ジ……

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