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第195夜 個人教授は軽く甘く、しかし数値的には厳密に…『マンガ 化学式に強くなる さようなら、「モル」アレルギー』
「プラスの電荷を持つナトリウムイオンとマイナスの電荷を持つ塩化物イオンは静電気の力でお互いに近づいて……/引き合って結合する」「結合……」「うん」「そして……/白いものができる」「まあ……」「塩だ」「塩? 塩を出してどうすんのよ/ああもう! ムードもへったくれも!」

『マンガ 化学式に強くなる さようなら、「モル」アレルギー』高松正勝 原作、鈴木みそ 漫画、講談社ブルーバックス(2001年6月)
女子高生の幸(さち)は理科が大の苦手。特に化学は、学校の授業に呪詛を投げるほどの嫌悪ぶりだ。見かねた友人の由子(ゆうこ)は、幸にある提案を持ちかける。
それは、理系の大学を出てつくばで研究者をしている自分の兄に、化学の個人レッスンをしてもらうというものだった。屁理屈屋のヲタクに違いないと踏んで渋る幸だったが、「そんなにひどくないってば」という由子の言葉に、ひとまず会ってみることに。
待ち合わせ場所の花火大会に現れた由子のお兄さんは、すらりとした体型に物腰の柔らかな眼鏡男子だった。花火の色(炎色反応)について颯爽と論じるお兄さんに幸も満更でない様子。しかし、妹の由子はこうも云った。研究一筋で色気がない“つくばの人”だ、と。
そして始まる個人レッスン。お兄さんの部屋での講義や実験はもちろん、ボートに乗ったり山に登ったり、プールやテニスに出かけることも。そんな傍から見れば恋人同士みたいな日々だけど、どこでも話題は分子量やモルのことばかり。
やきもきする幸と、ちっとも気づかないお兄さん。2人の行方は? そして肝心の幸の化学の理解は――?
