「い…いや、違う!/何でオレの右手が女になってんだ!?/てゆーか、お前、何でオレのこと知ってんだよ!!!」「あ、あの…/それは…つまり、その…/私、ずっとずっと/か…片思いしてたんです。/セイジ君の事ッ!!」 『美鳥の日々』井上和郎 作、小学館『週刊少年サンデー』掲……
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第128夜 流れる涙は、狂おしい郷愁のゆえか…『地球(テラ)へ…』
「みんな聞け/ミュウは弱い!/傷つくとショックを受け/仲間たちの死に気をとられる/だがこれは戦闘だ!!/勝つことだけを考えろ!!/我々はただひとつのことだけを考えるんだ!/この戦いに勝って地球(テラ)へ…/地球へ行くと!」

『地球へ…』竹宮恵子 作、朝日ソノラマ『月刊マンガ少年』掲載(1976年12月~1980年4月)
西暦3000年を過ぎた、はるか未来。人類による地球の衰亡は確定的なものとなり、結果として彼らは自分たちをコンピュータによって完全に管理する道を選んだ。人々は子ども教育専用の惑星、社会生活を営む大人の惑星に分かれて居住し、母なる地球の土を踏めるのは一部のエリートのみ。いわゆるS.D.(Superior Dominance;特殊統治体制)の時代の到来だった。そこでは、日々の生活から将来の進路まで全てがコンピュータの決定に基づいていた。
地球から遠く離れた惑星アタラクシアで育った少年、ジョミー・マーキス・シンは、成人検査が行われる“目覚めの日”(14歳の誕生日)の数日前から、人間離れした盲目の美少女と青い髪の青年が出てくる不思議な夢に悩まされる。大人としての適性をみるという成人検査に、疑問を持ちながらもその日を迎えたジョミーだが、その最中に夢の青年とコンタクトする。
人類に一定の確率で生まれる、超能力を有する新人類“ミュウ”。成人検査の隠された役割は、そのミュウをみつけ排除することだった。強力なミュウとして覚醒したジョミーは、夢の青年が長を務めるミュウの共同体に迎えられる。青年の名はソルジャー・ブルー。彼を指導者として、ミュウたちは人類に対して自分たちの権利を訴えてきたが聞き入れられず、人類政府の中枢である地球を目指しているのだった。
地球から2光年足らずの距離に浮かぶ教育(エデュケーショナル)ステーションには、あらゆることに無感情にして成績抜群、若くして執行機関「メンバーズ」の一員となったトップエリート、キース・アニアンがいた。成人検査の記憶も、幼少時の記憶も持たない彼は、次第に自らの出生と、ミュウについての真実に近づいていく。
ミュウの長となったジョミーと、人類の指導者としての階を駆け上がるキース。相反しながらも交錯する立場の2人を中心に、ミュウと人類の争いと葛藤は続いていく。人類の鬼子たるミュウの、地球(テラ)への尽きない郷愁は募る−−。

