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第135夜 白い囲いの中で、我慢の日々…『失踪日記2 アル中病棟』
「恐ろしい/なんか恐ろしいね/恐ろしいと頭で考える自分の声すらも恐ろしいんだよね」

『失踪日記2 アル中病棟』吾妻ひでお 作、イースト・プレス刊行、書き下ろし(2013年10月)
1998年12月28日、かつて失踪した漫画家は、今度は家族の手によって病院に担ぎ込まれた。かねてからの過度の飲酒により、体と精神が蝕まれていた彼が入院したのは、都内某所のA病院にある、アルコール依存症患者専門の精神科B病棟、通称「アル中病棟」である。
さまざまな後遺症や、尽きない飲酒への欲求と戦いながら、漫画家は院内生活を始める。院内の教育、あるいは断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス;Alcoholics Anonymous)といった自助グループで再三云われる飲酒の怖さに震えつつ、フランクでありながらも得体の知れなさの漂うアル中患者たちに友情と反目を抱いたり、かわいくも恐ろしいナースたちをはじめとする医療関係者が自分をどう思っているか妄想したりで過ぎゆく日々。
スリップ(断酒生活中の再飲酒)で再入院する患者もいる中、家族のもとへ帰れる日は来るのだろうか? もやもやとした不安を抱えながらも、病棟での集団生活は続いていく。
