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第114夜 決して相容れず、けれどもかけがえのないもの達…『蟲師』
「蟲……?」「ああ/陰より生まれ/陰と陽の境にたむろするモノ共のことだ/それが見える者は少ないが/この世界の隅々にまで/それはいる」

『蟲師』漆原友紀 作、講談社『アフタヌーンシーズン増刊』→『月刊アフタヌーン』掲載(1999年1月(読切)~2008年8月)
蟲。それは、動物と植物の狭間の存在。命の原生体。神と妖とが分化する以前のモノ。それらは人とは無縁に、あるいは人に寄生し、ただ自らのために生きるのみだが、その痕跡は人から見れば摩訶不思議な現象に他ならない。
そんな蟲と人を仲立ちすることを生業とする者。それが蟲師と呼ばれる人々である。銀髪に碧の隻眼をしたギンコは、そんな蟲師の中にあっても異質な男。蟲の害にはこれを殺すことが唯一の方策と考える者が多いなか、蟲と人が共に生きる法を探る。もっとも、常に巧くいくこともなく、蟲は「奇妙な隣人」と云い捨てる。
一つ処に居れば蟲を寄せる体質のため、旅を続ける他ないギンコの行く手に、様々の人と蟲との相克が横たわる。
