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第103夜 一つ屋根の下、可笑しく切なく青春は往く…『めぞん一刻』
「生きていれば――/いろんな欠点も見えてくるだろう。/でも 死人は無敵だ。/彼女の中で理想像が増殖していく。」

『めぞん一刻』高橋留美子 作、小学館『ビッグコミックスピリッツ』掲載(1980年10月~ 1987年4月)
東京郊外の時計坂に建つ一刻館は、風呂なし、トイレ・洗面共同の木造アパート。浪人生の五代裕作(ごだい・ゆうさく)は、隣室の慇懃無礼に覗きを嗜む四谷(よつや)と、スナック勤務で下着姿でうろつく六本木朱美(ろっぽんぎ・あけみ)、それに主婦なのに酒ばかり飲んで息子を困らせている一の瀬花枝(いちのせ・はなえ)といった悪ノリ好きな隣人たちにおちょくられ、その度に出て行くの出て行かないので押し問答という幸薄い毎日を過ごしていた。
ある日、管理人だった老人に変わって、新管理人、音無響子(おとなし・きょうこ)が赴任する。若く美しい響子に一目惚れした五代だが、響子は結婚半年で亡くなってしまった亡夫、惣一郎(そういちろう)のことが忘れられずにいた。
受験、大学生活、就職と、いつでも瀬戸際に追い詰められる五代。そこに加えて曲者ぞろいの隣人たち、恋敵のイケメン三鷹瞬(みたか・しゅん)、五代に思いを寄せる女性たちが話を一層ややこしくする。ただでさえ天然気味な上に思い込みが激しく、亡き夫を慕い続ける響子に、五代の思いが届く日はくるのだろうか――?
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