「ご、ごめんね。なんか変な奴ばっかりで…/けど、よかったら見学くらいしていってよ!」「(いい!)」「林田達のかけ合いは、桃ちゃんのお笑い心に火をつけた!」 『県立伊手高柔道部物語 いでじゅう!』モリタイシ 作、小学館『週刊少年サンデー』掲載(2002年7月~2005……
「 恋愛 」 一覧
第174夜 現代に咲く古式ゆかしい心地よさ…『チマちゃんの和箪笥』
「名前って……/私は和久井朝子ですが」「じゃあよく聞いて/朝子さん/朝子さんが この道を望んでるんじゃなくて/朝子さんの中の童(わらべ)が この道を望んでるの/その童が入部したのよ/敬意をはらって命名させてもらったわ」
『チマちゃんの和箪笥』佐野未央子 作、集英社『コーラス』(付録「和コーラス」にて読切掲載)→『ココハナ』掲載(2011年7月~2012年10月)
面倒くさがりの大学生、和久井朝子(わくい・あさこ)は、ある朝ふいに着物で暮らしてみたいと思う。何となく周囲に合わせた服を買って生きてきたことを無駄と感じたのだ。
何かに導かれるように朝子が門を叩いたのは、風変わりなサークル「和ノ道倶楽部」。和服美人な部長、高岡文子(たかおか・ふみこ)に「自分の中の童」を「チマ」と名づけられ、朝子=チマは和の道を歩み出す。
数年後、大学を卒業し、幾つかの経験を積んだ朝子は、祖母の照子(てるこ)が住む東北のとある小さな城下町で、着物を扱う「千麻や」を営んでいた。商売としてはかつかつではあるものの、祖母や近所の人々とのおしゃべり、訪れるお客との交流を通じて朝子の忙しくも穏やかな日々は流れていく。
そんなある日、彼女は「和ノ道倶楽部」の先輩で部長と親密だった光本真祥(こうもと まさき)と再会する。今は紡績会社の若き経営者となった光本は、朝子にある提案を持ち掛ける。
旧い習慣の残る城下町で、朝子の戸惑いは続く。彼女の中のチマは、まだ何も云わない——。
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第165夜 かつてこの国が経験した、凄絶な季節に…『夏のあらし!』
「それでも/夏の間だけでも/生きて再びこの世界に居られることを感謝したいわ/だから精一杯/楽しく生きるわ/命短し/恋せよ乙女/紅き唇/褪せぬ間に…ってね/生きてるあなたは/恋をしなよ!」 『夏のあらし!』小林尽 作、スクウェア・エニックス『月刊ガンガンウイング』→『……
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第164夜 10代は背伸びし、20代は首をすくめる…『たまりば』
「なんでハルオもまたアイス買ってんの?/さっき食べたじゃん」「オトナは1日にアイス2本食べてもいいんだよ」「いいなぁ〜/オトナ……」「そうでもねーよ」 『たまりば』しおやてるこ 作、エンターブレイン『Fellows!』掲載(2008年10月~2012年2月) 「……
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第159夜 ともあれ、二人、生きていくのだ…『娚(おとこ)の一生』
「……私は……昔…」「もうええわ/君の過去のなんのは/つまらん/幸せの話をすると君は下を向くんや/過去には戻れへんのに/どうして目の前のぼくを見いひんのや?」 『娚の一生』西炯子 作、小学館『月刊フラワーズ』→『フラワーズ増刊 凛花』(スピンオフ)掲載(2008年7……
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第145夜 非現実への色欲に隠した、承認への欲望…『ルサンチマン』
「まだ現実に未練があるのか?」「あっ、あたりまえだ。/大体、そんな話/信じられっかよ。」「お前が、/現実の何に期待してるかわからんが、/あきらめろ。現実に期待するな。」「ぐっ、よ、余計なお世話だ。」「30年生きて、お前もわかっているはずだ。現実世界でおれ達に勝利はない!/おれ達は……
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第144夜 死は炙り出す。誰もが“誰かの為の誰か”と…『潔く柔く』
「あの人のことを/とてもよくわかっていますか?/あの人を……/…とてもよく………わかりたいです」「そりゃあ無理だ/とてもよくわかるなんて/他人の傲りだ/そんなこと言う奴は信用できない」 『潔く柔く』いくえみ綾 作、集英社『Cookie』掲載(2004年1月~2010……
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第138夜 2人の日々は、あのスイングとともに…『坂道のアポロン』
「んふっ/相棒?/いやですよこんなの」「最高じゃないか/一緒にバカやれる友達なんて/大事にしろよ/恋愛と違って/友情ってのは一生もんだからな」 『坂道のアポロン』小玉ユキ 作、小学館『flowers』掲載(2007年9月~2012年7月) 船乗りである父の仕事の……
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第137夜 波乱の刻を咲き誇った、幾つもの魂…『ベルサイユのばら』
「神の愛にむくいる術ももたないほど小さな存在ではあるけれど…/自己の真実のみにしたがい/一瞬たりとも悔いなくあたえられた生をいきた/人間としてそれ以上のよろこびがあるだろうか」 『ベルサイユのばら』池田理代子 作、集英社『週刊マーガレット』掲載(1972年4月~19……
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第127夜 奇想に重ねた、直球ど真ん中な成長ロマン…『美鳥の日々』
「い…いや、違う!/何でオレの右手が女になってんだ!?/てゆーか、お前、何でオレのこと知ってんだよ!!!」「あ、あの…/それは…つまり、その…/私、ずっとずっと/か…片思いしてたんです。/セイジ君の事ッ!!」 『美鳥の日々』井上和郎 作、小学館『週刊少年サンデー』掲……