100夜100漫

漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

*

「 日別アーカイブ:2014年12月10日 」 一覧

第191夜 逆巻く風雪は、ふたりのために…『千年万年りんごの子』

「留まる力と/変わる力/それでも/すべてのものは無慈悲に終わる/小さな切欠によって/朝日/君だけが確かだ」


千年万年りんごの子(1) (KCx(ITAN))

千年万年りんごの子田中相 作、講談社『ITAN』掲載(2011年12月~2014年2月)

 1970(昭和45)年。一組の夫婦が誕生した。
 東京の大学の理学部で優秀な成績を収めながらも、寺の拾われ子として育てられたゆえの孤独感を抱える伊岡雪之丞(いおか・ゆきのじょう)と、青森のりんご農家に生まれ、その跡継ぎのために入り婿が欲しい長内朝日(おさない・あさひ)。ある意味で利害の一致がもたらした縁組だった。
 雪深いりんごの国で、大家族が紡ぐ慌ただしくも平穏な日々。それは、移ろう時の流れと共に雪之丞の孤独を埋めていく。
 しかし、黒森に佇む“おぼすな様”のりんごをめぐる雪之丞のほんの小さな気まぐれで、生活は一変する。
 それは、因習か、神威か。妻のための夫のあらがいは、大きな力の前に余りにも微小だった。
 りんごの品種更新の忙しさの中、それでも雪之丞はあがき続ける。やがて彼の覚悟は朝日の想いと逢瀬し、一つの約束が実を結ぶ――。

(さらに…)

広告

広告

広告

広告