「 日別アーカイブ:2014年06月13日 」 一覧
【一会】『いぬやしき 1』……最終兵器っぽくなった初老の男性の行く先は?
気が付けば『GANTZ』の終了からはや1年近くが過ぎた先月下旬に、奥浩哉先生の新作である『いぬやしき』1巻が刊行となりました。
事前情報ではお爺さんが主人公ということだけが明かされていたので、前作から一転して日常を描いたものになるのかなー、と何となく思っておりましたが、冒頭こそそんな匂いを出しつつも、やはりハードなことになってます。最初に抱いた印象としては、やはり高橋しん『最終兵器彼女』なのですが、あれはやはり、ちせが可憐な女子高生だからこそ生じる壮絶さや辛さや癒される感じがあったんだろうと、いま思い返すと感じます。
そこへ行くと、この漫画の主人公は犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)というお爺さん(御年58歳ですからそう表現して差し支えないんですが、子どもたちがまだ家にいるので厳密にはお父さんですね…)です。家族や世の中に対して不満は色々ありますが、もはや老い先短いですし、諦めの境地に至っていても不思議はない状況と云えるでしょう。
そんな人が突然いままでの人間ではなくなってしまったことへの戸惑いと、陰惨な暴力を己の力でねじ伏せた先にやってきた感情の奔流。その辺りが今巻のハイライトじゃないかなと思います。

