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漫画の感想やレビュー、随想などをつづる夜

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【一会】『アルテ 5』……“違い”なんて、無いからこそ

アルテ 5 (ゼノンコミックス)

 16世紀初頭イタリア。女性の社会進出が難しかったこの時代を舞台に、貴族の出ながら画家を目指して奮闘する少女アルテの修行の日々と、当時の人々の生活をつぶさに描く『アルテ』。6月下旬に5巻が出ましたが、このほど読みましたので書きたいと思います。

 前巻で、生まれ育ったフィレンツェを離れ、ヴェネツィアに到着したアルテ。この地に彼女が来たのは、ユーリという抜け目なさそうな貴族の青年の依頼を受けてのことでした。名門ファリエル家の一員であるユーリがアルテに依頼したのは、ファリエル家の肖像画を描く仕事と、彼の姪っ子の家庭教師。何だかすごい組み合わせですが、当時はよくあったことなのでしょうか。
 ユーリの姪である令嬢カタリーナは予想通りの難物。そんな彼女に対しアルテはどう関わっていくのか――というのが今巻の要約と云えるでしょう。今までは、いかにアルテが画家の技術や心構えを習得するか、ということがメインになっていましたが、今巻では少し毛色が違いますね。家庭教師としてのアルテの仕事は、生徒に教えることですし。

(さらに…)

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