漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 少女 」 一覧

第179夜 夜明けを呼ぶのは、異能ではなく決意…『黎明のアルカナ

「この力は奇跡なんかじゃないわ/だから私が/奇跡に変えてやるの」「私の命は/あなたのもの/ナカバ様の心のままに」「ありがとう/ロキ」


黎明のアルカナ 1 (フラワーコミックス)

『黎明のアルカナ』藤間麗 作、小学館『Cheese!』掲載(2009年1月~2013年6月)

 人と、半獣半人の種族、亜人が暮らす世界。1つの島で領土を二分する北のセナンと南のベルクートの間では、200年もの年月をいがみ合いに費やしてきた。戦が激化する度、両国の王族は婚姻を結び、仮初めの和平は成るものの、それは5年と続くことはなかった。
 肥沃なベルクートと貧しいセナンは、それでも歪んだ身分制度という点では共通していた。黒髪を誇る僅かな者たちが王侯貴族として君臨し、赤や金、茶色の髪の者たちは平民。そして亜人たちは、人より優れた身体能力を有しながらも蔑まれ、奴隷や最前線兵として用いられるばかりの存在だった。
 今また不毛な和平条約のため、セナンの第一王女ナカバは、ベルクートの第二王子シーザの下へ嫁いだ。明日の命の保証すらない敵国への輿入れに加え、王族でありながら赤髪のナカバは、ベルクートの王族に蔑まれ、夫となったシーザとも一触即発、刃を交えるような日々が続く。髪色のために同じようにセナンの王室でも疎まれてきた彼女が唯一心を許せるのは、故国から伴ってきた従者、狼の亜人ロキだけだった。
 そんな中、いつしかナカバは過去・未来・真実を見通す超能力“刻(とき)のアルカナ”を発現する。やがてシーザの父王グランの野望を目の当たりにした彼女は、己の力ですべてを変えようと決意、行動を開始するのだった。
 互いに惹かれ始めるナカバとシーザ、主であるナカバに複雑な感情を抱くロキ、海を挟んだ隣国リトアネルの第五王子アーキルからの願い…。それぞれの思いが交錯する中、戦と差別のない国を思い描くナカバは、救いの道を見いだせるのか――。

(さらに…)

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第144夜 死は炙り出す。誰もが“誰かの為の誰か”と…『潔く柔く

「あの人のことを/とてもよくわかっていますか?/あの人を……/…とてもよく………わかりたいです」「そりゃあ無理だ/とてもよくわかるなんて/他人の傲りだ/そんなこと言う奴は信用できない」 『潔く柔く』いくえみ綾 作、集英社『Cookie』掲載(2004年1月~2010……

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第137夜 波乱の刻を咲き誇った、幾つもの魂…『ベルサイユのばら

「神の愛にむくいる術ももたないほど小さな存在ではあるけれど…/自己の真実のみにしたがい/一瞬たりとも悔いなくあたえられた生をいきた/人間としてそれ以上のよろこびがあるだろうか」 『ベルサイユのばら』池田理代子 作、集英社『週刊マーガレット』掲載(1972年4月~19……

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第124夜 ○コ塗れでも潰えない、上流階級の心意気…『有閑倶楽部

「10億だ!!/いいか最低10億とらなきゃ家に帰るぞ/そんなはした金/ばかばかしくってつきあってられるか!!」 『有閑倶楽部』一条ゆかり 作、集英社『りぼんオリジナル』→『りぼん』→『マーガレット』→『コーラス』掲載(1981年4月~2007年10月)  幼年部か……

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第120夜 甘々な見た目に隠されたほろ苦さ…『シュガシュガルーン

「覚えてる…?/ずっと前…/約束したよね/「あたしたちは/ずっと親友」 『シュガシュガルーン』安野モヨコ 作、講談社『なかよし』掲載(2003年9月号~2007年5月号)  魔界に住む2人の小さな魔女、伝説の魔女シナモンの娘で元気者のショコラ=メイユールと、現女王……

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第111夜 「今、ここ」から逃げ出したい、全ての人へ…『彼方から

「なんでこういう事態になったのかわかりませんが/とにかくっ/ぐじぐじしてたって仕方がないと考えましてね/こうしてお世話いただいているのも何かのご縁かと存じますし/この際 腹すえてついていかせていただきたいと決意した次第なわけでして」「………/何を言っているのかわからん」 ……

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第101夜 恋と友情は、廻る星座とともに…『星の瞳のシルエット

「気がつくと/まわりはみんな/そわそわ わくわく/あの人がすき この人がすき/毎日ドキドキきらめいて 14歳――――そうね/憧れ とか/恋 とか/片思い………とか/そんなことばが/いつのまにか もう/似合うときになったんだな」 『星の瞳のシルエット』柊あおい 作、集……

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第96夜 戦国系変態ギャグに仄見える純情…『こいつら100%伝説

「きみのいってることは/バカバカしさの中にも/きらりと光るものがあるが/やっぱり大バカモノと呼ばせていただきたいっ」 『こいつら100%伝説』岡田あーみん 作、集英社『りぼん』掲載(1989年4月~1992年8月)  時は戦国、世は地獄。忍術の達人である先生は、そ……

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第89夜 少しの不安は、田舎の夜空に溶けてゆけ…『きんぎんすなご

「あんなに いっぱい/あるんだからさ/あした 見つからなくても あさって/でなけりゃ そのさき/見つけたいと思っていれば かならず 見つかるよ/星は なくならないから」 『きんぎんすなご』わかつきめぐみ 作、白泉社『月刊少女フレンド』、『別冊フレンド増刊 ザ フレン……

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第67夜 偽りの表情が紡ぐ恋情と友情は、真実か…『彼氏彼女の事情

「もし傷つくのなら/最初の相手は/有馬がいいわ/……/その日/“彼氏”“彼女”になりました。」 『彼氏彼女の事情』津田雅美 作、白泉社『LaLa』掲載(1996年6月~2005年3月)  神奈川県内トップの進学校、県立北栄高校に入学した宮沢雪野(みやざわ・ゆきの)……

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