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【一会】『白暮のクロニクル 10』……イヴの決着
厚生労働省の夜間衛生管理課(通称「やえいかん」)の新人・伏木あかり(ふせぎ・――)と、その夜衛管が管轄する不死人種“オキナガ”の少年(に見えて中身は88歳の“ご老人”)雪村魁(ゆきむら・かい)。このバディを中心に、12年ごとに女性を惨殺するシリアルキラー「羊殺し」の追跡を描くファンタジック社会派ミステリ『白暮のクロニクル』も10巻が刊行となりました。まぁ、刊行は1月末(2月?)の話なのですが、ようやく概要と感想を書き留めようと思います。
あかりの行方が分からなくなり、不穏な空気が流れていた前巻ラスト。今巻の物語はその少し前、クリスマス・イヴ直前の夜から始まります。
先輩職員の気遣いで早めに職場を後にしたあかりが向かったのは新宿。先日からオキナガ登録をめぐって彼女に接近している、あやしげなオキナガ桔梗凪人(ききょう・なぎと)と会って、登録を促そうと考えたのでしょう。
桔梗の云うところの2人の「デート」は、映画(これは…『シ○・ゴ○ラ』?)に喫茶店という王道コース。王道というか昭和コースって感じかもしれませんが。550歳だという古いオキナガである桔梗の、現代へのキャッチアップはその辺りで止まっているのかもしれません。
喫茶店で、あかりは桔梗に「長命者登録申請書」を書かせようとします。話の流れから、桔梗の過去がちらり。まだオキナガにナリアガる前の彼には、お姉さんが居たようです。
書類完成のためには現住所を確認しなければ、ということで、あかりは桔梗とともに彼の現在の住処へと向かいます。前巻から読んでいれば嫌な予感がぷんぷんなのですが。
果たして、ここで桔梗の正体が明かされます。ここではぼやかしておきますが(果たしてぼやかしになっているのか疑問ですが)、彼はまさしく「最重要参考人」と云っていいでしょう。