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【一会】『アルテ 6』……まずは自分の場所で
ルネサンス末期の16世紀。その古典文化復興の中心地となったイタリアの、男社会な絵画界に、ひとり飛び込んだ貴族の娘アルテを描く絵画修行漫画『アルテ』。1月に6巻が刊行となりました。読んで思ったことを書きたいと思います。
師匠レオのアトリエに住み込んで研鑽を積んでいたアルテですが、現在は名門貴族ファリエル家のユーリに請われる形でフィレンツェを離れ、ヴェネツィアにいます。
ユーリに依頼された仕事は、一家の肖像画を描きつつ、家庭教師としてユーリの姪っ子であるカタリーナに礼儀作法を教えるというもの。出会った当初のカタリーナは、礼儀作法は完璧に身についているにも関わらず、家族の前ではだらしなく振る舞い、アルテには授業をさせず居眠りまでします。
彼女の秘密の趣味を知ることを通じ、その本心を知ったアルテでしたが、同時にその不作法は、平民との“違い”ばかり追求する貴族という立場を嫌悪するが故であることを告げられ、立ち尽くすのでした。