漫画のレビュー&随想 | 100夜100漫

――夜毎、お話ししましょう。貴方が私を縊(くび)らぬ限りは。

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「 ギャグ 」 一覧

第47夜 お笑いに彩られた、意外とマジな演義…『SWEET三国志

「天下とって♥」


SWEET三国志 (3) (MF文庫)

『SWEET三国志』片山まさゆき 作、講談社『ヤングマガジン増刊海賊版』掲載(1992年~1995年)

 ワンス・アポン・ア・タイム、イン・中国、漢の国。劉備玄徳(りゅうび・げんとく)は豪傑の関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)と桃園にて義兄弟の契りを交わした。世は乱れ、イエローフラッグの賊が跋扈し、帝は宮廷で美女とリンボーダンス、そんな先行きの暗い時代にあって、彼らは義勇軍を結成したのだった。
 それが彼らの、この国の永きにわたる戦いの時代の始まりだった。戦、お色気、計略、パロディ、論破、時事ネタ、競馬ネタ、楽屋ネタ、何でもアリの超ポップな三国志が開幕する。

イズ・ディス・ジャスト・ア・イミテイション?
 ふざけた作品である。けなして云っているのではない。多くの人が知っている三国志演義を、とても気持ちよく壊してくれているのが凄いのだ。一応は春秋戦国から三国時代が舞台なのだが、現代の我々がよく知っている事物がちょくちょく画面に入り込んでくる。例えば天下無双の武将である張飛は「全漢ボディビルコンテスト」の入賞常連、レスラーパンツを履いてサングラスをかけた兄ちゃんとして表現されているし、これに呼応するように猛将として知られる呂布(りょふ)もレスラーパンツで、こめかみにはサイボーグのように大きなボルトが差し込まれている。当然のようにハンバーガーだのコーラだのが出てくるし、武将達が現代日本(連載当時)の競馬やアイドルの話題をするシーンもある。
 しかし、予想に反してストーリーは元の演義に忠実であるように思われる。もちろん、大きく省略されている部分もあるが、この分量ではむしろ英断と云いたい。横山光輝の『三国志』は無論名作だし、コーエーのシミュレーションゲーム『三国志』シリーズは壮大な世界をグラフィカルに表現した点で偉大だが、こんなポップな三国志もあっていいと思わせられる内容である。

ファイナリィ,ア・ビット・オブ・ティアーズ
 思いもよらない武将のデザイン(曹操はビジュアル系、呉の人々はなぜかみんな関西弁、軍師の魯粛に至ってはなんとナマズ人間!)と出来事の解釈で驚きと笑いをもたらしてくれる本作だが、演義を忠実になぞっている以上、後半はスター武将たちの最期が次々と描かれ、湿っぽいシーンが多くなる(それでも笑ってしまうが)。特に、劉備の死に際した時の諸葛亮孔明(しょかつりょう・こうめい;服装は普通だが何故か鼻に縁日でみるピロピロ笛を挿している)の言葉と、その後に蜀の全権を担った孔明の最後の戦いのくだりは、少しだけ涙がこみ上げてくる。
 加えて、最後の空のシーンは、“つはものどもが夢のあと”感が醸し出され、「あれ、この漫画ってそういう路線だっけ」と思わせてくれる。コメディ歴史ロマンという、ありそうであまりない作風を楽しみたい。

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第46夜 淡々と、ただならない日常は過ぎゆく…『あずまんが大王

「そんなんじゃありませんのだ」 『あずまんが大王』あずまきよひこ 作、メディアワークス(現アスキー・メディアワークス)『月刊コミック電撃大王』掲載(1998年12月~2002年3月)  恐らくは関東にある、どこかの共学高校。そこで繰り広げられる、とも、ちよ、よみ、……

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第32夜 白球とバット(釘付き)にかけた青春…『たのしい甲子園

「是非もない!」 『たのしい甲子園』大和田秀樹 作、角川書店『月刊少年エース』掲載(1998年5月~2000年9月)  県下一の不良高校、瓦崎工業高校。校舎内にバイクの改造屋があり、些細なことで乱闘が始まるワルの名門である。  瓦工をシメようと入学してきた桂ケン……

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第29夜 リミッター解除した男達の極限妄想…『妄想戦士ヤマモト

「俺たちはたしかにクズだ/自分でもヒクぐらいのクズだ/だがっ/だからこそっ/俺たちは漢でありたいと願うのだ!」 『妄想戦士ヤマモト』小野寺浩二 作、少年画報社『アワーズライト』→『アワーズ増刊』→『ヤングキングアワーズ』掲載(2000年7月~2005年12月)  ……

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第28夜 描かれた円の中は、少女の心を映す混沌…『魔方陣グルグル

「これからあたしたちいよいよ世界を冒険するのね!/あたし世界中の町を見てみたいな/いろんな人に会ったり楽しい事もいっぱい…/どんな世界が待っているのかしら……/……ゆうしゃさまムーンストーンをつかうのよ……」「何考えてんだよ/なんだよムーンストーンって」 『魔方陣グ……

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第26夜 真のヒーローは、弱きを癒し強きも癒す…『オンセンマン

 2013/05/30  100夜100漫, ,

「それでもオンセン・イン!」 『オンセンマン』島本和彦 作、角川書店『月刊少年エース』掲載(1995年2月~1996年12月)  箱根の大涌谷(おおわくだに)から200年に1度の奇跡で生まれる伝説の勇者、オンセンマン。彼は病み疲れた都会の人々を自らの温泉パワーで癒……

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第13夜 下衆な博士と幼女なロボの妙味…『無敵鉄姫スピンちゃん

「まてよ…てことは…/エロボットのボディーが完成したら…/スピンがエッチな事するって事!?」 『無敵鉄姫スピンちゃん』大亜門 作、集英社『週刊少年ジャンプ』掲載(2004年3月~6月)  ロボットが社会に浸透しつつある21世紀。実家から離れたお嬢様女子高に進学……

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第7夜 シュールギャグが描く時代の気分…『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん

「お前のパンチを喰らって倒れなかったのは…オレが初めてだぜ…!!」 『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』うすた京介 作、集英社『週刊少年ジャンプ』掲載(1995年12月~1997年8月)  県立わかめ高校に転校してきた藤山起目粒(ふじやま・おこめつぶ……

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